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あぜみち健康百科

JA兵庫厚生連の、あぜみち健康百科
 
「あぜみち健康百科」は2016年4月号の「あぜみち」より、山田先生による「みどりの健康百科」に替わって新しくスタートしたしました。
 皆様の健康づくりの参考にして下さい。
 
JA厚生連とは
 JAの厚生事業は、組合員・地域住民の健康づくりを応援するために、 特定基本健診(町ぐるみ健診)をはじめとした各種の健康診断や健康相談、健康増進活動を実施して、 トータルな健康づくりをめざしています。
 
(このページに掲載されている内容は、JAハリマ広報誌『あぜみち』に掲載されている「あぜみち健康百科」と同様です。)
 
※あぜみち健康百科は、2017年8月より、みどりの健康百科として掲載しています。

No.015 熱中症を予防して元気な夏を! (2017.07)

 熱中症により、毎年4万人以上の人が救急搬送されています。年代別では高齢者が5割近くを占め、乳幼児と小児が約1割以上となっています。
 今年もすでに全国で4千人以上の方が救急搬送されており(H29年5月1日~6月11日時点)、梅雨明け以降はより一層の注意が必要です。

【熱中症とは】
 高温多湿な環境に長くいることで、徐々に体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。
 屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、重症になると意識障害や場合によっては死亡することもあります。
 
【熱中症の予防法】
①こまめな水分補給
 室内、室外でも、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分・塩分補給する。
②暑さを避ける
[室内編]
 ・室温28℃を超えないように、エアコンや扇風機で温度を調節する。
 ・部屋の温度をこまめに確認する。
 ・遮光カーテン、すだれで直射日光を遮る。
[室外編]
 ・日傘や帽子を着用する。
 ・体をしめつけない涼しい服装で出かける。
 ・日陰で適度に休憩する。
 
【熱中症の症状と対処方法】
重症度
症状
対応
医療機関への受診
Ⅰ度
・めまい
・立ちくらみ
・こむら返り
・手足のしびれ
・涼しい場所へ移動
・安静
・水分、塩分の補給
・症状が改善すれば受診の必要なし。
Ⅱ度
・頭痛
・吐き気、嘔吐
・体がだるい
・集中力や判断力の低下
・涼しい場所へ移動
・体を冷やす(特に首の回り、脇の下、足の付け根など)。
・安静
・水分、塩分の補給
・自力で水が飲めない、症状が改善しない場合は受診が必要。
 
・症状が改善すれば受診の必要なし。
Ⅲ度
・意識障害(受答えや会話がおかしい)
・運動障害(普段通りに歩けないなど)
・体が熱い
・涼しい場所へ移動
・安静
・保冷剤などで体を冷やす
(特に首の回り、脇の下、足の付け根など)。
・急いで救急車を要請
☆暑さの感じ方は、人によって異なります。日頃から、自分や周りの人の体調をこまめに気にかけ、楽しい夏を過ごしましょう!☆
 

No.014 知って役立つ冷え性対策について (2017.06)

「万病のもと」と言われ、春夏秋冬を問わず多くの人を悩ませている冷え性。冷え性を改善することは健康維持への近道です。
 今回は手軽にできる冷え性対策をご紹介します。
 
<冷え性改善のポイント>
(1)適度な運動をする
 20分程度のウォーキングやストレッチなどが効果的です。ふくらはぎを含めた筋肉全体をほどよく動かすことで、血流が良くなります。
(2)体を温める食品をとる
 食事では、冷たい飲み物や食べ物を避けて、体温以上のものを摂るのがベストです。体を温める働きを持つ食品(人参、ゴボウ、レンコン、かぼちゃ、鶏肉、鮭、黒豆等)や、香辛料(しょうが、にんにく、唐辛子等)を意識して選びましょう。夏が旬のきゅうりやトマト、スイカなどは体を冷やす食品です。摂りすぎないよう注意しましょう。
(3)たんぱく質をとる
 たんぱく質が不足しがちな人は、肉や魚、大豆などのたんぱく質を意識してとると、体の中でたくさんの熱が生まれ、冷え性の改善が期待できます。ただし、腎臓病や糖尿病の傾向がある方などは専門医にご相談ください。
(4)肩までしっかり入浴する
 自分の気持ちいい温度(目安は40~41℃程度)のお湯に10分間肩までつかると血管機能を高める効果が期待できます。ただし、心臓病の方は必ず主治医にご相談ください。
(5)太ももに手をおいて、ゆっくり呼吸する
 手足の冷えの一因である交感神経の緊張を解く効果があります。1回5分程度、1日3回を目標に行うと、手足の冷えの改善が期待できます。
(6)下半身、足首、首回りを保温する
 夏場はエアコンに当たりすぎないようにし、仕事場ではひざ掛けを使用するなど工夫しましょう。特に首もとをしっかり保温すると、手足の血管を開きやすくします。エアコンのきいている場所では、スカーフなどで首もとを保温するのがお勧めです。
(7)体を締めつける衣服を避ける
 血流が滞ると冷えにつながります。昼間、膝から下全体を締め付けるようなブーツをはいた場合には、入浴で血行を促すなどのケアを欠かさないようにしましょう。
 
 少しの工夫で冷え性の改善が期待できます。ぜひ普段の生活に取り入れてみてください。
 

No.013 家庭でもできる食中毒予防! (2017.05)

 食中毒を引き起こす主な原因は、「細菌」と「ウイルス」です。細菌もウイルスも目に見えない小さなものですが、温度や湿度などの条件がそろうと食物中で細菌が増殖し、その食物を介して食中毒を引き起こします。夏場(6月~9月)は細菌が原因となる食 中毒が、冬場(12月~3月)はウィルスが原因となる食中毒が多く発生しています。
 細菌による食中毒は、「1.菌が食品に付着する。」「2.食品中で菌が増殖する。」「3.菌を含む食品を食べる。」という3つの段階を経て起こります。一方、ウイルスは自ら増殖しませんが、手や食べ物などを通じて体内に入ると腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。
「家庭でもできる食中毒予防の6つのポイント」
 食中毒予防の3原則は食中毒菌を「付けない、増やさない、やっつける」です。この3原則をもとに
 厚生労働省では家庭でもできる食中毒予防を6つのポイントにまとめました。【図参照】
 おう吐や下痢などの食中毒と疑われる症状がでた場合は、むやみに市販の下痢止めなどの薬を服用しないで、直ちに医療機関を受診しましょう。
 出典元:厚生労働省ホームページ「家庭でもできる食中毒予防の6つのポイント」から引用

No.012 野菜を見直そう! (2017.04)

野菜を見直そう!~食べ方ひとつで変わります~
 
 野菜を摂る最大のメリットは、生活習慣病の予防です。
 特に野菜の色素でさまざまな効果があることが明らかになっています。
 色素によっては栄養を効率的に摂るための方法が異なり、他の栄養素といっしょにすると吸収率がアップするもの、熱を加えると栄養価が上がるものなど、色素別の調理方法、食べ方があるのも特徴です。
 また、野菜は生だと、量の割に吸収される栄養素が少なく、緑黄色野菜が不足しがちになってしまうため、加熱調理をして積極的に食べるようにしたほうがよいでしょう。火を加えた野菜は食べやすく、消化にもよいというメリットがあります。もちろん、なかには熱に弱いものもあるので、食材の特性を活かしてサラダやジュースにするなど工夫してみましょう。
 しかし、野菜の栄養価を最大限に利用するのは、"鮮度"と"熟度"が重要なポイントになります。
● 鮮度:食品の新鮮さ
 野菜は空気に触れることで徐々に栄養が損なわれます。まとめ買いをして冷蔵庫にストックするよりこまめに買い足すようにしましょう。
● 熟度:果物や野菜などが熟した度合い
 色が濃く完熟したもののほうが栄養価に優れているので、色が鮮やかで十分に熟れたものを選ぶのがコツです。
<野菜の色素別おすすめ調理方法>
野菜の色(色素名)
代表的な野菜
摂取方法の
ポイント
おすすめ料理
カロテノイド系
(リコピン、カプサイシンなど)
トマト、赤ピーマン、金時人参、赤唐辛子
熱に強いため、火を加えてもよい。脂肪といっしょに摂ると吸収率がアップ
ミネストローネ、トマトシチュー、ラタトゥイユなど
黄色
カロテノイド系
(アルファカロテン、
ベータカロテンなど)
かぼちゃ、人参、黄色ピーマン
グラタン、あんかけ、てんぷら、パウンドケーキなど
ポルフィリン系
(クロロフィルなど)
ほうれん草、緑ピーマン
熱と酸の組み合わせに弱い
サラダ、おひたし、マリネなど
褐色
フラボノイド系
(ケルセチンなど)
たまねぎ、にんにく
オニオングラタンスープ、ポタージュ、ガーリックトーストなど
アントシアニン系
(ルブロブラシンなど)
赤キャベツ、赤しそ、プルーン
熱に強いが水に溶ける性質がある
梅干、サラダ、コールスロー、しそジュースなど
  (参考:「野菜の色には理由がある」毎日新聞社)
 

No.011 花粉症のセルフケア (2017.03)

 厚生労働省の調査によると国民の4人に1人が花粉症で、その内70%はスギ花粉症といわれています。この時期、スギ花粉にお悩みの方も多くおられると思います。
 そこで今回は、花粉症のセルフケアについてご紹介させていただきます。
●ポイントは、鼻と目に花粉が付着しないようにすることです。
①花粉情報に注意する。
②飛散の多いときの外出を控える。
③飛散の多いときは窓、戸を閉めておく。
④外出時はマスク、メガネを使う。
⑤帰宅時は、衣服や髪をよく払ってから入室し、洗顔とうがいをする。
⑥部屋の掃除をこまめする。
⑦花粉が付着しやすい表面が、けばけばした衣服の着用は避ける。
●そのほかに気を付けたいことは…
・鼻粘膜の状態を悪くする因子であるストレス、睡眠不足、アルコールの飲みすぎに注意し、タバコはできれば禁煙する。
・規則正しい生活やバランスのとれた食事を心がける。
 
 セルフケアと医師、薬剤師による治療を含め、花粉症の季節を快適に過ごしましょう。

No.010 脳梗塞について (2017.02)

脳梗塞とは
 脳梗塞は、脳の血管がつまり血流が低下することで脳の神経細胞に酸素や栄養が供給されなくなり、手足のまひや言語障害などさまざまな障害が起こる病気です。
 また、脳梗塞によって脳の神経細胞が壊死すると、脳の神経細胞はほとんど再生しないため脳梗塞で失われた機能は原則として取り戻せません。時間がたてばたつほどダメージが広がり、後遺症も大きくなります。その為、脳梗塞の治療は時間との闘いといわれています。
脳梗塞の前兆と初期症状
 脳梗塞が発症する前には、以下のような初期症状がみられることがあります。こうした前触れに早く気付くことで重症化を未然に防ぐ事ができます。
 
・片方の手足に力が入らなくなる(体の左右どちらか一方の顔や手足などに麻痺やしびれ)
・思うように話せない(ろれつがまわらない・言葉が出ない)
・他人の言うことがわからない
・ものが見えにくい(片方の視野が欠ける・ものが二重に見える)
 
 めまいやふらつきが起こり、上記の症状もあれば脳梗塞が疑われます。しかし、このような症状が現れたあと、数分間で自然に消えることがあります。一過性脳虚血発作(TIA)といい、脳の血流が一時的に悪くなり血栓がつまり上記の症状が現れますが、つまった血栓が短時間で溶けて血流が再開し正常に戻ります。問題は、いったんTIAを起こすとその後に脳梗塞を発症する危険性が高く本格的な脳梗塞の前兆でもあります。症状が消えたからと安心せず、症状が現れたときは、早急に神経内科や脳神経外科など専門医がいる医療機関で適切な診断と治療を受けることが必要です。迷わず救急車を呼び、早急に治療を受けるようにしてください。
 

No.009 膝が痛くなったりしませんか!? (2016.12)

膝が痛くなったりしませんか!?
「その痛み ‟変形性膝関節症“かも」
 
変形性膝関節症とはどんな病気
 変形性関節症は、脊椎(せきつい)、肘、股など、全身のあらゆる関節で発症します。なかでも特に多いのが膝の関節で発症する変形性膝関節症です。膝関節のクッションである軟骨がすり減り膝の関節に炎症が起きたり、関節が変形したりして痛みが生じる病気です。
 国内で約2,400万人が患っていると推定され、50代以上の女性に多いのが特徴です。※
原因
 年齢、性別、肥満、遺伝などが関係して発症すると言われていますが、原因が明確に特定できない症例もあります。原因が特定されているものでは、靭帯(じんたい)損傷や骨折などの他、関節リウマチ、痛風などの病気や外傷による膝関節の炎症や変形があります。
症状
 自覚症状としては、膝関節が痛み、動きも悪くなります。なかには関節に水が溜まって腫れてくる場合もあります。
診断
 診断は、主に症状とエックス線検査によって行いますが、関節リウマチなど他の病気と区別するために血液検査なども行います。
治療法
 温熱療法、運動療法、薬物による治療が一般的ですが、症状が進行すると外科的治療(手術)が必要となります。
日常生活での注意点
①肥満がある場合は体重を減らし膝への負担を軽くしましょう。
②歩行時は杖を使い関節への負担を軽くしましょう。
③正座は避けイスを使いましょう。
④膝を支える太ももの筋肉を鍛えましょう。

※患者数は大阪大学医学部付属病院麻酔科資料より抜粋
 

No.008 耳鳴りについて (2016.11)

 耳鳴りとは、実際には音がしていないのにもかかわらず、何か音がしているような感覚やはっきりと聞こえてくる現象をいいます。
 耳鳴りの原因疾患や発生部位は様々なものがあり、発生のメカニズムもまだ不明な点が多くあります。どんな耳鳴りに対しても、まずは原因疾患の治療が重要です。できる限り耳鳴りの原因となっている背景を調べていくことが大切です。
原因となる疾患
●中耳疾患
 ・中耳炎
 ・耳小骨離脱
 ・耳管機能不全など
●内耳(蝸牛)疾患
 ・突発性難聴
 ・メニエール病
 ・老人性難聴など
●脳(中枢神経)の疾患    
 ・聴神経腫瘍
 ・うつ病など
治療
 原因となる疾患がはっきりしていれば、それを治療することが耳鳴りの治療になります。多くの耳鳴りは原因不明で、いろいろな治療が試みられます。
 
●内耳や脳の血液循環を改善する薬、筋肉の緊張を和らげる薬、精神安定剤などの薬物療法
●局所麻酔薬の静脈注射
●鼓室への副腎皮質ステロイド薬などの注入
●心理的なストレスの軽減
 
 耳鳴りそのものは、生命の危険を伴うものでも痛みを生じるものでもありません。
 しかし、覚醒している間中、休みなく続くことで常に脅かせるような感覚を伴いますので、周りの人々が苦痛を理解し、共感を示すことも救いになります。

No.007 逆流性食道炎について (2016.10)

逆流性食道炎ってどんな病気?
 逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や胃で消化される途中の食物が食道に逆流して、そこにとどまるために食道が炎症を起こし、びらん(粘膜がただれること)や潰瘍(粘膜や組織の一部がなくなること)ができる病気です。
 呑酸(酸っぱい液体が口まで上がってくること)や胸やけ、胸の痛み、咳、口の苦味など様々な症状が生じます。
原因
○高タンパク、高脂肪の食事
 タンパク質の多い食事は消化に時間がかかり、胃に長くとどまるため、胃液の逆流が起こりやすくなります。また、脂肪の多い食事を食べた時に十二指腸から分泌されるコレシストキニンというホルモンの働きやたくさんの食事で胃が引き伸ばされることで、下部食道括約筋(食道と胃のつなぎ目にある筋肉)がゆるみ、逆流しやすくなります。
○加齢・肥満・姿勢(背中が曲がった人)
 下部食道括約筋等の食道を逆流から守る仕組みが弱まり、胃酸が増える原因になります。また、食道の蠕動(ぜんどう)運動(臓器の収縮運動のことで、内容物を移動させる役割をしている)や唾液の量なども少なくなるため、逆流した胃液を胃に戻すことができにくくなります。
○ピロリ菌との関係
 ピロリ菌に感染していない場合には、胃の働きが保たれているため、元気な胃から胃酸が正常に分泌されます。こうした状態で胃の中のものが逆流すると非常に強い酸が逆流することになるため、食道に傷ができやすくなります。
ただし、ピロリ菌は胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの病気の原因のひとつであるため感染者は除菌治療を受けることが勧められています。
治療
 逆流性食道炎の治療では生活習慣の改善に加え、胃酸の分泌を抑える薬を服用します。
 薬による治療を始めると、早くに症状はなくなりますが、症状がなくなっても、食道の炎症、びらん、潰瘍はすぐに治るわけではありません。主治医と相談しながら内服治療を行う必要があります。
 生活習慣の改善としては①脂質分やタンパク質の多い食事をとりすぎない②アルコールを減らす③適度な運動を行い肥満を解消する④日中は前かがみの姿勢を避け、寝る時は少し上半身を高くして寝るようにするなど生活も見直しましょう。
 

No.006 胸部検診(胸部X線検査)を受けましょう (2016.09)

肺がんについて
 1年間で肺がんにかかる人(予測のがん罹患数)は、男性で約9万7千人、女性で約4万2千人※1です。肺がんによる死亡数は男性が第1位、女性が第2位※2となっています。
 早期の肺がんでは、ほとんど自覚症状を感じることがありません。早期の段階でがんを見つけて治療することで8割は治る病気であると言われています。自覚症状がない時にこそ、定期的に検診を受けることが大切です。また、自覚症状がある場合は必ず医療機関に受診しましょう。
 
胸部X線検査について
 胸部X線検査は、肺に異常な影があるかどうかを調べる検査です。
 胸部X線検査で「要精密検査」と判定されたからといって「がん」とは限りませんが、何らかの疾患の疑いがあります。「要精密検査」と判断されたら、必ず精密検査(胸部CT検査または気管支内視鏡検査)を受けましょう。
 しかし、どんな検査も完璧ではありません。肺がんの見逃しや、逆に肺がんではないのに「要精密検査」と判定される可能性もあります。だからこそ毎年受診して健康状態を確認することが大切なのです。また、胸部X線検査と高喫煙者(1日に吸うタバコの平均本数×喫煙年数が600以上)の喀痰細胞診検査は死亡率減少効果を示す相応の根拠があると考えられています。

健康メモ
石綿(アスベスト)について
 石綿(アスベスト)の繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています。石綿による健康障害は、潜伏期間が数十年と長い場合があります。今健康に支障がない場合でも、石綿にばく露するような機会があった方は、1年に1回は胸部検診(胸部X線検査)等による健康診断を受診されることをお勧めします。
肺がんとタバコについて
 肺がんの原因としてはタバコの影響が最大です。喫煙により肺がんになる危険は男性で4.5~5.1倍、女性では2.3~4.2倍に増加し、喫煙年数や本数が多いほど高くなります。また、受動喫煙によっても1.2~1.3倍に増加します。
 
資料
 ※1 国立研究開発法人国立がん研究センター 2015年のがん罹患数、死亡数予測
 ※2 厚生労働統計(平成26年)第7表 死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対)
 

No.005 アンチエイジング② (2016.08)

 前回は『肌のアンチエイジング』について、今回は『血管のアンチエイジング』についてお話しします。
『血管のアンチエイジング(動脈硬化予防)』
 「若さの基本は血管にあり」血管は全身の細胞に栄養と酸素を送り、老廃物を体の外に排出するという重要な役割を担っています。
 動脈硬化という言葉をご存知だと思いますが、動脈硬化はわかりやすく言えば血管の老化です。血管も年齢とともに傷つき、詰まったり、硬くなったりして弾力性や柔軟性が低下します。外からはわかりにくく、進行するまで自覚症状もなく、気づかずに放置してしまうことが多くみられます。その結果、血液の通り道が狭くなったり、血栓ができて詰まってしまい狭心症や心筋梗塞、脳梗塞といった重大な病気を引き起こしてしまいます。
 動脈硬化を起こす要因には
 ・偏った栄養バランスの食事
 ・肥満
 ・過度のアルコール摂取
 ・喫煙
 ・運動不足
 ・睡眠不足
 ・加齢
 ・ストレス
 ・高血圧
 ・脂質異常症
 ・糖尿病
などがあげられます。血管のアンチエイジング(動脈硬化予防)にはこれらの改善が欠かせません。
 日常生活で気を付けることを紹介します。
①エネルギー(カロリー)の取り過ぎに注意しましょう。
 脂質・糖質の多い食品や嗜好品は肥満につながるうえ、生活習慣病を悪化させます。
②野菜は1日350g以上食べましょう。
 野菜を沢山食べることにより、食べ過ぎを防いだり、生活習慣病の改善に役立ちます。
③お酒は適正飲酒を守りましょう。
 1日の適量は1合です。週に2日は、休肝日を設けましょう。
④禁煙をしましょう。
 たばこは動脈硬化の進行を早め、生活習慣病を悪化させます。ぜひ禁煙にチャレンジしてください。禁煙外来を利用する方法もあります。
⑤運動習慣を持ちましょう。
 まずは、今より10分多く動きましょう。できれば1日に8千歩から1万歩は歩くことを目標にしましょう。スポーツに限らず、日常生活で少しでも多く体を動かすことを意識しましょう。
⑥減塩を意識しましょう。
 塩1日に男性は8g、女性は7g未満にしましょう。
 
 不適切な食生活、過度の飲酒、喫煙、運動不足など不健康な生活習慣を健康的な生活習慣にし、適正体重を保つことで、動脈硬化の進行を緩やかにし、深刻な生活習慣病の発症予防になります。結果として血管のアンチエイジングに繋がります。ぜひチャレンジしてみてください。
(JA兵庫厚生連)
 

No.004 アンチエイジング① (2016.07)

 アンチエイジングとは、加齢による身体の機能的な衰え(老化)を可能な限り小さくすること、言いかえると『加齢による心身の衰えに対していつまでも若さを保っていこう』という意味です。
 今回は1回目『肌のアンチエイジング』、2回目は『血管のアンチエイジング』についてお話ししたいと思います。
肌のアンチエイジング
 肌の力を高めるために日常生活で気をつけることを紹介します。
①光老化を防ぐため、紫外線をカットする!
 年齢を重ねることによる老化に加えて、紫外線による肌の老化「光老化」が起こると一層肌の老化は進みます。遮光カーテン、日焼け止めの利用や、屋外に出るときは日傘、帽子やサングラスなど日よけをしましょう。
②体は食べたものからつくられます。美肌に必要な栄養素を積極的に摂りましょう!
・ビタミン豊富な野菜や果物
ビタミンA:皮膚や粘膜を強化し肌荒れを防いでくれます。
 (レバー、いくら、チーズなど。)
βカロテン:体内でビタミンAに変換されます。
 (にんじん、ほうれん草、ニラ、のりなど。)
ビタミンC:メラニン色素の生成を防ぎます。
 (オレンジ、みかん、キウイ、ブロッコリーなど。)
ビタミンE:シミのもとである活性酸素を減少させ、新陳代謝を活発にし肌のターンオーバーを助けてくれます。
 (アーモンド、カボチャ、抹茶、大豆、ごま油など。)
・大豆製品
 大豆に含まれるイソフラボンはコラーゲンを増やしたり、新陳代謝を高める働きをするので肌の調子を整えたいときにはぜひ摂りたい栄養素です。
 (豆腐、納豆など。)
・お酒の飲みすぎとタバコは禁止!!
 お酒の利尿作用や、血中アルコール濃度を下げようと水分が血液の方にとられたりして体内の水分が減少し、肌がカサカサになります。
 また、タバコは肌に百害あって一利なし、血流が悪くなり活性酸素が増加します。
③便秘を解消して、美肌をつくりましょう!
 便秘になると肌荒れやニキビなど肌トラブルを引き起こします。
④質のよい睡眠をとりましょう!
 肌のターンオーバーは、睡眠中、特に22時から2時の間に分泌される「成長ホルモン」によって促されます。
 ご自身の生活習慣を少し見直し、できそうなことを1つでも続けてみてはいかがでしょうか。
(JA兵庫厚生連)

No.003 家庭でもできる食中毒予防! (2016.06)

  食中毒を引き起こす主な原因は、「細菌」と「ウイルス」です。細菌もウイルスも目に見えない小さなものですが、温度や湿度などの条件がそろうと食物中で細菌が増殖し、その食物を介して食中毒を引き起こします。夏場の6月〜9月には細菌が原因となる食中毒が、冬場(月〜3月)はウイル12スが原因となる食中毒が多く発生しています。
 細菌による食中毒は「1菌が食品に付着する。」「2食品中で菌が増殖する。」「3菌を含む食品を食べる。」という3つの段階を経て起こります。一方、ウイルスは自ら増殖しませんが、手や食べ物などを通じて体内に入ると腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。
 おう吐や下痢などの食中毒と疑われる症状がでた場合は、むやみに市販の下痢止めなどの薬を服用しないで、直ちに医療機関を受診しましょう。
 
家庭でもできる食中毒予防の6つのポイント
食中毒予防の3原則は食中毒菌を「付けない、増やさない、やっつける」です。この3原則をもとに厚生労働省では家庭でもできる食中毒予防を6つのポイントにまとめました。
ポイント① 食品の購入
■消費期限などの表示をチェック外 ■肉・魚はそれぞれ分けて包む。できれば保冷剤(氷)などと一緒 ■寄り道しないでまっすぐ帰ろう
ポイント② 家庭での保存
■帰ったらすぐ冷蔵庫へ外 ■入れるのは7割程度に ■肉・魚は汁がもれないように包んで保存 ■停電中に庫内温度に影響を与える扉の開閉は控えましょう ■冷蔵庫は10℃以下に維持■冷凍庫は−15℃以下に維持
ポイント③ 下準備
■ゴミはこまめに捨てる ■こまめに手を洗う ■肉・魚を切ったら洗って熱湯をかけておく ■肉・魚は生で食べるものから離す ■野菜もよく洗う ■冷凍食品の解凍は冷蔵庫で ■タオルやふきんは清潔なものに交換 ■井戸水を使っていたら水質に注意 ■包丁などの器具、ふきんは洗って消毒
ポイント④ 調理
■作業前に手を洗う ■調理を途中で止めたら食品は冷蔵庫へ■加熱は十分に(めやすは中心部分の温度が 75℃で1分間以上)■台所は清潔に ■電子レンジを使うときは均一に加熱されるようにする
ポイント⑤ 食事
■食事の前に手を洗う ■盛り付けは清潔な器具、食器を使う ■長時間室温に放置しないポイント⑥ 残った食品■作業前に手を洗う ■手洗い後、清潔な器具、容器で保存■早く冷えるように小分けする ■時間が経ち過ぎたりちょっとでも怪しいと思ったら、思い切って捨てる ■温めなおすときは十分に加熱する(めやすは75℃以上)
出典元:厚生労働省ホームページ
「家庭でもできる食中毒予防の6つのポイント」から引用

No.002 甲状腺について (2016.05)

●甲状腺とは
 甲状腺は、のど仏の骨よりやや下の方にある重さ16~20gぐらいの小さな臓器です。海藻等に多く含まれる食物中のヨードを材料にして、「甲状腺ホルモン」を合成しています。
 正常な状態では、血液中の「甲状腺ホルモン」は常に一定の濃度が保たれています。
 甲状腺の機能に異常があると「甲状腺ホルモン」の分泌が過剰になったり不足することで、さまざまな身体症状が起こります。
●甲状腺ホルモンの働き
・食物で摂取した栄養素を代謝しエネルギーを作る
・体の組織の形成に関与し胎児の発育や子供の成長を促す
・内臓の働きを調整する
●甲状腺機能の異常による病気
甲状腺機能の異常による病気は甲状腺機能が亢進する「甲状腺機能亢進症」と甲状腺機能が低下する「甲状腺機能低下症」の2つがあります。
<甲状腺機能亢進症>
 甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、全身の代謝が高まる病気です。代表的な甲状腺機能亢進症の疾患としてバセドウ病があります。バセドウ病は女性に多く、血液中の自己抗体が甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて起こる自己免疫性疾患です。
<甲状腺機能低下症>
 甲状腺ホルモンの分泌が減少して、全身の代謝が低下する病気です。代表的な甲状腺機能低下症の疾患として橋本病(慢性甲状腺炎)があります。
●甲状腺ホルモンの分泌に異常があることで現れる症状
<分泌が過剰な場合>
 動悸・息切れ、イライラ、発汗、体重減少、全身の倦怠感、手の震え、暑さに過敏になる
<分泌が不足している場合>
 むくみ、便秘、皮膚の乾燥、集中力の低下、脱毛、寒さに過敏になる

※気になる症状がある場合は、内科・内分泌科等を受診し医師に相談しましょう。
出典元:総理官邸ホームページ「放射線と甲状腺の病気との関連性について」から一部引用
(JA兵庫厚生連)   

No.001 旅行者血栓症について(2016.04)

 旅行者血栓症をご存じですか?
 かつては、エコノミークラス症候群といわれていた病気です。エコノミ―クラスの乗客から報告されたためこのように呼ばれていました。しかし、飛行機のエコノミークラスの乗客にだけに起こる病気ではなく、ビジネスクラス以上や列車旅行、長距離の運転中、映画鑑賞中などにも起こることが知られてきました。
1.どんな病気?
 原因は、『長時間座ったまま姿勢を続けること』と『乾燥による脱水』です。
長時間座ったままの姿勢でいると、足の血液の流れが悪くなり、大静脈や大腿の深いところの静脈の中に血栓(血の塊)ができることがまれにあります。また、エアコンなど空調設備の整った環境に長時間いると、軽い脱水症状になり、血液の粘度が増し血栓ができやすくなります。
 飛行機や長時間の列車移動中にできた血栓が、歩き始めた時に静脈の壁から離れ血流に乗り肺に流れついて、肺の血管を閉塞してしまう(肺塞栓)、これが旅行者血栓症です。
 高齢の方だけでなく、20歳代の方にも起こる可能性があります。糖尿病や脂質異常症など生活習慣病のある方や心臓血管系の持病がある方は要注意です。
2.症状
 症状が出ない事もありますが、初期症状として、足のむくみと痛みがあります。
 ひどくなると、足にできた血栓が肺の血管に詰まり、胸痛、呼吸困難、失神等の症状が出現します。
3.旅行中(移動中)の予防方法
①一番大切なことは、長時間同じ姿勢をとらないようにし、足の運動をすることです。
1~2時間に一回は席を立ち、歩いたり屈伸運動をしましょう。また、座ったままでも足の指先をこまめに動かしたり、かかとの上下運動(20~30回)をしましょう。
②こまめに水分補給をしましょう。
③アルコールやコーヒーは飲みすぎないようにしましょう。
④時々深呼吸をしましょう。
(JA兵庫厚生連)
ハリマ農業協同組合
〒671-4193
兵庫県宍粟市一宮町東市場429番地1
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営農指導事業、生活指導事業、販売事業、購買事業、給油所事業、信用事業、共済事業、診療所事業、葬祭事業、損害保険代理店業


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