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みどりの健康百科


ここはJAハリマの広報誌『あぜみち に掲載している、「みどりの健康百科」を抜き出したページです。

No.0082 大人の食物アレルギー(2024.11)

大人の食物アレルギー

 原因となる食物 
 食物アレルギーを引き起こす主な原因食物は、年齢によって違います。
 乳児では鶏卵・牛乳・小麦の順に多く、大人では果物・野菜が最も多く、小麦・甲殻類と続きます。
 大人に果物・野菜のアレルギーが多いのは、花粉アレルギー(花粉症)の症状が多くの人に出る種類の花粉と、果物・野菜はたんぱく質の構造に似ているところがあるため、花粉症の人はこれらのたんぱく質にも反応して、アレルギーを起こしやすいからです。

 症状の特徴 
 子供は全身の症状や、皮膚にかゆみが出たり赤く腫れたりすることが多いですが、大人では口やのどだけに症状が出るケースが多くみられます。
 果物・野菜では、口・唇・のどに腫れやかゆみを生じ、全身症状は起こらないことが多く、小麦では食物依存性運動誘発アナフィラキシーといって、原因食物(小麦)を摂取しただけでは症状は出ず、摂取後2〜4時間以内に運動するとアナフィラキシーを起こしやすいという特徴があります。運動によって腸粘膜の透過性が高まり、原因物質が血液中に入り症状を起こすと考えられています。
 甲殻類では、口・唇・のどの症状の場合、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの場合もあります。

 対処法と対策・注意事項 
*食物が原因と診断されたら、原因食物を避ける
*花粉症が重症の場合は、食生活や生活習慣を見直して花粉症を改善させると、食物アレルギーも良くなることがある
*食品を加熱すると症状が出なくなるタイプの方は、しっかり加熱して食べる
*食物依存性運動誘発アナフィラキシーの場合は、原因食物を食べた後4時間以内の運動は控える

 食物アレルギーを疑う症状が出たら、皮膚科やアレルギー科など専門の医療機関を受診し検査を受け、対処法や治療法を相談してくださいね。

No.0081 もしかして秋バテ?(2024.10)

もしかして秋バテ?

『夏バテ』でなく『秋バテ』をご存知ですか?
 夏が終わって過ごしやすくなってきたにも関わらず、何となくまだ身体がダルイ…思い当たる方は『秋バテ』かもしれません。

『秋バテ』ってなに
 秋の初めごろに見られる身体の不調のことです。夏バテによる体力の低下、朝晩の気温差、冷房に慣れた身体が気温の変化についていけず、自律神経の乱れなどによって体調不良の症状が現れます。
*身体がだるい
*疲れがとれない
*立ちくらみやめまいがする
*よく寝られない
*頭痛や肩こりがする
*やる気がでない
*朝スッキリ起きられない
*食欲がない
*下痢や便秘する等々

予防&対処方法
夏バテ・秋バテにならないために、まずは環境の変化に対応できるだけの体力をつけることが大切です。
 夏の疲れをしっかりとリセットし、元気で健やかな身体を取り戻しましょう。

秋バテ予防におすすめの食材
*肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など・筋肉の成長を助け、基礎代謝、免疫力を上げる。
*豚肉・卵・ごま・玄米・大豆・うなぎなど
・疲労回復、エネルギー代謝を助ける。
*サバ、さんまなどの青魚・鮭・うなぎ・大豆製品など
・血行の状態を良くする。
*トマト・かぼちゃ・ピーマンなどの緑黄色野菜など
・全身のエネルギー代謝を活性させる。
*レモン、グレープフルーツなどの柑橘類・梅干・酢など
・疲労回復や体調維持

 やはり〝旬〞の食材選びが、豊富な栄養を摂るためのポイントですね。



No.0080 なぜ血糖値が高いといけないの?(2024.09)

なぜ血糖値が高いといけないの?

■糖尿病は〝万病のもと〞
 今やわが国の5人に1人が糖尿病の患者、または、その予備軍であると言われています。
食事や運動などの生活習慣に深く関係し、加齢とともに発病しやすくなる2型糖尿病患者が大多数です。2型糖尿病の発病し始めは、痛みなどの自覚症状はありません。『血糖値が高めである』だけです。
 しかし血糖値が高くなり続けると身体中の血管に悪影響を及ぼし、・小さな血管では糖尿病神経障害(足など)・糖尿病網膜症・
糖尿病腎症など。
・大きな血管では動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞など。
・全身では、歯周病・骨粗鬆症・うつ病・認知症・癌などにかかる率が上がる。
というデータもあります。
 糖尿病はさまざまな合併症を引き起こす〝万病のもと〞なのです。

■血糖コントロールで元気に長生きを
 空腹時採血では血糖値は高くないものの、食後採血ではじめて血糖値が高いことが見つかる方や、妊娠中に妊娠糖尿病と言われた方が出産後は正常域に戻っても、将来2型糖尿病になりやすいことがわかっています。
 健康診断などで指摘を受けた方は、食後血糖値も測定してもらうよう、かかりつけ医に相談しましょう。
 食生活や運動などの生活習慣・体重・血圧を見直し、元気に長生きしましょう。

■血糖値は自分で測れるの?
 血糖値は1日の中で上下に変化します。糖尿病の治療の種類によっては、血糖自己測定器で血糖を保険適用内で測ることができます。血糖値の変動や傾向を自分でチェックすることで血糖コントロールがしやすくなります。血糖自己測定器による血糖値は必ず記録してください。
 どうして高値が出たのか、どうして低値になったのか、かかりつけ医と振り返って検討することがもっとも大切なのです。

No.0079 腸内環境を整えよう(2024.08)

腸内環境を整えよう

 腸内細菌は、ビタミンやアミノ酸を産生し、免疫機能を高めたり、病気の原因となる細菌やウイルスを排除するなど、体に有用な働きをする「善玉菌」、腸内で有害な物質を作り出す「悪玉菌」、基本的には有用で、時として有害となる「日和見菌」の3種類に分けられます。このさまざまな腸内細菌は、生存競争を繰り広げながら、一定のバランスが保たれた状態になっています。
 この腸内細菌のバランスがくずれると、病気になりやすいことがわかってきました。
 望ましい腸内環境とは、善玉菌が優位でバランスが取れた状態です。
 腸内細菌の種類と割合は、食事の内容によって大きく変わるので、毎日の食事は大切です。
 善玉菌そのものと、善玉菌が好むオリゴ糖や食物繊維を摂取すると良いでしょう。
 悪玉菌は高脂肪・高タンパクの食品を好みます。脂肪や肉類の食べ過ぎは悪玉菌を増やす原因となるので避けたいですが、体を作る重要な栄養なので、適量を摂取することは必要です。さまざまな食品を適量摂取して腸内細菌の多様性を維持し、病気になりにくい腸内環境を作るよう心がけましょう。
 適度な運動や、十分な睡眠も、腸内環境にとって大切です。

腸内環境を改善する食品
(摂取すると良いもの)
善玉菌
・乳酸菌
 チーズ・ヨーグルト・納豆・漬物など
・ビフィズス菌
 ヨーグルトなど

善玉菌を増やすもの
・オリゴ糖
 ごぼう・玉ねぎ・リンゴ・バナナ・はちみつなど
・食物繊維
 穀類(玄米、雑穀など)
 豆類(大豆、いんげん豆)
 イモ類(さつまいも、ジャガイモなど)
 海藻類(わかめ、昆布など)
 野菜類(ごぼう、ブロッコリー、モロヘイヤ、かぼちゃなど)
 きのこ類(しいたけ、えのきなど)
 切り干し大根など

No.0078 夏にピッタリ「きゅうり」を食べよう!(2024.07)

夏にピッタリ「きゅうり」を食べよう!

 梅雨が明けると一気に暑くなり、夏野菜の収穫期を迎えます。
 今回は、日本の食文化になじみ深い『きゅうり』についてお話します。

●水分補給にぴったり!
 夏に食べたい野菜の代表日本で親しまれている野菜、きゅうりの原産地はインド北西部のヒマラヤ山麓です。3000年前の記録が残っているほど、その栽培には古い歴史があります。
 日本には6世紀頃に中国を経由して伝わりましたが、苦みがあるため、江戸時代までは好んで食べる野菜ではなかったようです。
 明治時代になって、いろいろな料理に使われはじめ、広く栽培されるようになりました。
 露地栽培で真夏の太陽を浴びて育ったきゅうりは、張りがあって味も抜群です。
 きゅうりの90%は水分なので、水分が不足しがちな夏にはとても役立つ食材です。

●カリウムが豊富で高血圧の予防に
 きゅうりの栄養素で注目したいのは『カリウム』です。カリウムは体内の余分なナトリウムを排出する働きがあるので、高血圧の予防、むくみの解消に役立ちます。
 また、きゅうりに含まれるアミノ酸には、疲労回復や、血液の流れを促進する働きがあります。また、きゅうりをぬか漬けにすると、ビタミンB1が約9倍、ビタミンKやカリウムが3倍に増えるとされています。
 一方で、ビタミンCを破壊する酵素が、きゅうりの皮の部分に含まれているので、ビタミンCを多く含む野菜と一緒に調理する際は、加熱したり、ビタミンCの破壊を止める効果のある酢を加えると良いでしょう。

●火を通しても美味しくバリエーション豊か
 きゅうりは縦に切るとみずみずしさを強く感じ、輪切りにすると水分が抜け、他の食材や調味料になじみやすくなります。
 手軽に調理できるきゅうりを食生活に取り入れ、暑い夏を元気に乗り切りましょう!

No.0077 手足口病(2024.06)

手足口病

 症状・原因 
 手足口病は、口の中・手のひら・足の裏や甲などに、赤い斑点〜水泡状の発疹が出る病気です。3割くらいの患者さんに、発熱がみられますが、ほとんどが38℃以下です。患者さんの半数は2歳以下で、5歳以下の乳幼児で9割を占めます。流行は、夏場にピークを迎え、その後は減少しながら年末まで続きます。
 原因はエンテロウイルス感染(主に腸管で増殖するウイルスで、67種類以上ある)です。飛沫感染・接触感染の他、便などの排泄物の中に含まれるウイルスが口に入る糞口感染の経路もあります。このため、子ども同士の濃厚接触が生じやすい保育所や幼稚園などでは集団感染が起こりやすくなります。

 対 応 
 特別な治療は必要なく、症状に応じた治療を行います。軽症なことが多く、ほとんどは数日(3〜7日)で治ります。感染したウイルスの種類により、下肢やおしり・おなかや背中・頭皮にも発疹が広がったり、まれに髄膜炎や脳・脊髄炎を合併するなど重症化することもあります。高熱が続く・嘔吐する・息苦しそう・ぐったりしている場合や、けいれん・麻痺・意識障害などがある場合は、すぐに医療機関を受診してくださいね。

 感染対策 
 感染対策は、手洗いと排泄物の適切な処理です。石鹸で手を洗い、流水で十分にすすぎ、清潔なタオルで拭いてください。手足口病が治った後も長期間(発症から数週間)にわたり便の中にウイルスが排泄されるし、感染しても発症せずにウイルスを排泄している場合もあるので、子どもの排泄物は日頃からきちんと処理をしてください。おむつ交換の後は、特に入念に手を洗いましょう。

 みどり診療所では、6月より、北部地域(一宮北中校区)の送迎を毎週火曜日に予約制にて開始しました。ご希望の場合は電話にて予約をお願いします。


No.0076 5月29日はこんにゃくの日!(2024.05)

5月29日はこんにゃくの日!
こんにゃくを食べて体の内側からキレイになりましょう!

 5月29日は「こんにゃくの日」。1989年に一般財団法人日本こんにゃく協会と、全国こんにゃく共同組合連合会が制定した記念日です。
 こんにゃくの種芋の植え付けが5月頃より行われること、「こんにゃく=5・2・9」と読む語呂合わせから、この日に制定したといいます。
 こんにゃくの主成分は、食物繊維です。
 腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を抑える働きが期待でき、有害物質の停滞時間を短くして腸壁を刺激し、スムーズな排便を促します。
 また、100gあたり5〜8キロカロリーと低カロリーで、糖質も100gあたり約0.1〜0.3gと、かなりの低糖質です。
 適度な弾力があることから、よく噛んで食べることに繋がり、脳の満腹中枢を刺激し、腹持ちも良く、ダイエットに適した食材と言えます。
 コレステロールと、糖を抑制する効能を持ち、糖尿病や高血圧・動脈硬化の予防も期待できます。
 カルシウムを効率良く摂取でき、骨粗しょう症の予防や、ストレス軽減にも役立つと言われているこんにゃくですが、これはこんにゃくに含まれるカルシウムは、酸に溶けやすく、体内に吸収されやすいからです。
 特に生芋こんにゃく(こんにゃく芋を乾燥させた粉で作ったものではなく、すりおろしたこんにゃく芋から作るこんにゃく)は、美肌効果に良いようです。
 おでんや田楽、煮込み料理などの定番料理に使う、板こんにゃく・玉こんにゃく・糸こんにゃく(しらたき)ですが、焼き飯やハンバーグ、炊き込みご飯の具としても使えます。こんにゃくを食べて体の内側からキレイになりましょう!
 いろんなところで使ってみましょう!

No.0075 帯状疱疹って何?(2024.04)

帯状疱疹って何?

 帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気です。
 左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う斑点と水ぶくれが、帯(おび)状に出ます。
 顔面や、目の周りにも現れることがあります。痛みは人によって違いますが、夜も眠れないほど、激しい場合もあります。
 多くの場合、皮膚の症状が治ると痛みも消えますが、その後も痛みが続くことがあり、『帯状疱疹後神経痛』と呼ばれています。また、帯状疱疹が現れる部位によっては、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴などの合併症を引き起こすことがあります。

どんな人がなるの?    
 水ぼうそうになったことのある人ならだれでも帯状疱疹になる可能性があります。
 加齢・疲労・ストレスなどによる免疫力の低下が発症の原因となります。
 50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹にかかると言われています。
 また、糖尿病や、ガンなどの免疫力が低下する病気が原因になることもあります。

予防はあるの?        
 日頃から十分な休息をとりながら、免疫力の維持を心がけ、疲労やストレスのない規則正しい生活を送りましょう。
 また、予防の1つにワクチン接種があります。
 帯状疱疹ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があり、それぞれ接種方法や、回数・金額が異なります。
 自治体によっては、公費で助成も受けられます。
 接種ができない方もおられますので、主治医と良く相談して接種してくださいね。

No.0074 ビタミンCが豊富な赤い果実イチゴ(2024.03)

ビタミンCが豊富な赤い果実イチゴ

 イチゴを生で食べる消費量は日本が世界第1位で、野生のイチゴ(野イチゴ)は、石器時代から食べられていたそうです。
 現在の赤くて大粒のイチゴは、18世紀のオランダで品種改良により生まれたもので、日本に入ってきたのは江戸時代、なんと鑑賞用だったそうです!
 食用となるのは、明治時代になってから! また、ビニールハウスができてから生産量が飛躍的に伸びたようです。
 イチゴの豆知識    
*イチゴはビタミンCが豊富です
 ビタミンCは、疲労回復やアンチエイジングに有効で、乾燥する冬には、風邪や肌荒れの予防に活躍してくれます。
 その他にも、貧血予防によいとされる葉酸、目の健康維持に欠かせないポリフェノール、腸内環境を整える食物繊維も豊富に含まれています。

*糖質やカロリーが高そうと思われがちですが、イチゴはヘルシーな食べ物です。
 バナナやリンゴにくらべると糖質もカロリーも低く、気軽に食べられます。
 牛乳やヨーグルトと一緒に混ぜて食べると、カルシウムがプラスされ、より栄養たっぷりになります。

*イチゴを洗う時はヘタを取らないのがコツです。
 ヘタを取ってしまうと、水洗いの際にそこからビタミンCが流れ出てしまいます。
 ヘタは食べる直前に取りましょう。

No.0073 優れた野菜ブロッコリー(2024.02)

優れた野菜ブロッコリー

 最近では、年中でまわっている定番野菜ブロッコリーですが、もっとも栄養価が高くなるのは11月から3月で、気温が下がるにつれて甘みが増しておいしくなります。栄養価が非常に高く、体のサビつきを抑制する抗酸化成分が豊富です。さらにカリウムや鉄分を多く含むほか、解毒作用を高める、健康成分も含んでいます。
 また、若々しい肌と髪をキープする働きがブロッコリーにはあります。豊富に含まれるビタミンCと、皮膚や粘膜の抵抗力を強化するビタミンAを併せ持つブロッコリーは、食物繊維も多く含み便通の改善が期待でき、健やかな肌へと導きます。また、血行を良くして毛髪にも働きかけます。
 生で保存する場合は、ペーパータオルでつぼみ部分を包みます。ラップをしてポリ袋に入れ、冷蔵庫に立てて入れましょう。
 茎にはビタミンや、食物繊維などが多く含まれているので、切り方を工夫して茎も一緒に調理し食べることをお勧めします。

No.0072 打倒ウイルス!免疫力を高める食べ物(2023.12)

打倒ウイルス!免疫力を高める食べ物

 免疫力を高めるには、まず「食べ物」からです。
 「健康にいい食事を作って食べる!」ということを目指し、免疫力を高めてウイルスに打ち勝ちましょう!

ウイルスの侵入をふせぐには
 ビタミンAを摂取する
 ※ビタミンAの多い食品
  にんじん・レバー・うなぎ
  かぼちゃ・ほうれん草

免疫力を高くするには免疫細
 胞の原料となるタンパク質を摂取する
 ※タンパク質の多い食品
  肉類・魚類・たまご
  チーズ・豆腐

免疫細胞が増えやすい環境をつくる、発酵食品や食物繊維を摂取する
 ※腸内環境を整える食品
  発酵食品(ヨーグルト・納豆等)
  海藻類・きのこ類

おまけ
 晩秋から初冬にかけての年末が出荷のピークになる「レンコン」の主な成分は、『デンプン』です。体の中ではエネルギー源として使われます。
 『ビタミンC』や『食物繊維』も豊富です。『ビタミンC』は熱に弱く加熱調理により分解されますが、デンプンにより保護されるため調理後もほとんど分解されずに残ります。
 疲労回復や風邪予防に効果的ですね。

 最後になりましたが、「見てますよ?」と声をかけてくださることを張り合いに、難しくないお話が今年もできたら良いなぁ~と思っております。
 1年間、つたない話にお付き合いいただきありがとうございました。良いお年を!

No.0071 インフルエンザのお話(2023.11)

インフルエンザのお話

 10月に入ってからインフルエンザの患者さんが急増しています。
 コロナと言いだしてから、4年目にもなり気の緩みがあるのかもしれません。
 簡単にですが、インフルエンザについてお話しますね。

主な症状は?
 38~39℃の突然の発熱、頭痛や悪寒、全身のだるさ、筋肉痛や関節痛、のどの痛みなどが主な症状で、全身症状を呈します。

検査はいつ行う?
 ウイルス量は発症から24~48時間ぐらいでピークになり、検査の検出率も高くなります。発症後間がない場合は、患者さんによってはウイルス量が十分でなく、検査キットで陰性となる場合があります。

治療はどのような?
 治療薬(抗ウイルス薬)を処方してもらいましょう。治療薬には、内服薬・注射薬・吸入薬があり、発症後48時間以内に薬を始めることが重要です。

かかったらどうすればよい?
 薬を処方してもらったあとは、家庭では、安静にしてゆっくりと休むこと、部屋を暖かくして湿度を保つこと、外出を控え、水分補給と栄養のある食事をとるように心がけましょう。
 無理をせずにゆっくり休み、周りにうつさないためにも『咳エチケット』としてマスクをつけ、症状が良くなるまでは人のたくさん集まる場所は控えましょう。

学校にはいつから行ける?
 子供の場合は発症日の翌日から5日間は休みます。なおかつ発熱がなくなってから2日間を経過するまで学校を休まないといけません。
 保育園・幼稚園では、もう1日多く(計3日間になります)休む必要があります。

 他のウイルスなどの感染症対策も含めて、日常の(手洗い)や(うがい)、体調の管理などを習慣づけておくこと。また、マスクを着用したり外出を控えることも大切です。

No.0070 マイコプラズマ肺炎について(2023.10)

マイコプラズマ肺炎について

 例年であれば、秋から冬にかけて、気温が下がり、空気が乾燥すると、ウイルスや細菌による感染症が流行します。
 まだまだ続いているコロナやインフルエンザ感染症に隠れていますが、マイコプラズマ肺炎も増加するといわれています。
マイコプラズマ肺炎とは
 『肺炎マイコプラズマ』という細菌によって症状が出る呼吸器感染症です。
発熱や、体のだるさ以外に、咳が長引くのが特徴です。
 また、通常の肺炎にくらべ、抗生物質が効きにくく、診断が遅れた場合には症状が重くなることもあります。
感染する年齢
 全ての年齢層で感染のリスクがあります。
 日本での罹患年齢は、若い方が中心に多いとされています。
感染する時期
 一年を通して報告がありますが、例年では、秋から冬にかけて流行がみられます。
感染経路
 マイコプラズマ肺炎にかかった人の、咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる病原体が空気中に飛び散ったものを、吸い込むことによって感染します。
 また、飛び散った病原体が口や鼻・目に接触することでも感染します。
潜伏期間
 通常、2~3週間です。
 発熱に続いて咳が出現し、解熱した後も咳が3~4週間続くこともあります。
予防方法
 予防接種や、薬の予防投与はありません。
 多くは自然に治りますが、咳がとても強い場合などに、家族や友人・学校などの集団生活の中で広がりやすい感染症です。
 他の感染症予防対策と同じく、咳エチケットと手洗いが大切です。
咳エチケットを守りましょう
・症状があるときは、マスクをする
・口と鼻をティッシュでおおう
・周りの人から顔をそむける

No.0069 もしかして秋バテ?(2023.09)

もしかして秋バテ?

『夏バテ』でなく『秋バテ』をご存知ですか?
夏が終わって過ごしやすくなってきたにも関わらず、何となくまだ身体がダルイ…
思い当たる方は『秋バテ』かもしれません。

『秋バテ』ってなに?
秋の初めごろに見られる身体の不調のことです。夏バテによる体力の低下、朝晩の気温差、冷房に慣れた身体が気温の変化についていけず、自律神経の乱れなどによって体調不良の症状が現れます。
*身体がだるい
*疲れがとれない
*立ちくらみやめまいがする
*よく寝られない
*頭痛や肩こりがする
*やる気がでない
*朝スッキリ起きられない
*食欲がない
*下痢や便秘する  等々

予防&対処方法
夏バテ・秋バテにならないために、まずは環境の変化に対応できるだけの体力をつけることが大切です。
夏の疲れをしっかりとリセットし、元気で健やかな身体を取り戻しましょう。

秋バテ予防におすすめの食材
*肉・魚・卵・大豆製品・乳製品 など
 ・筋肉の成長を助け、基礎代謝、免疫力を上げる。
*豚肉・卵・ごま・玄米・大豆・うなぎ など
 ・疲労回復、エネルギー代謝を助ける。
*サバ、さんまなどの青魚・鮭・うなぎ・大豆製品 など
 ・血行の状態を良くする。
*トマト・かぼちゃ・ピーマンなどの緑黄色野菜 など
 ・全身のエネルギー代謝を活性させる。
*レモン、グレープフルーツなどの柑橘類・梅干・酢 など
 ・疲労回復や体調維持
 
やはり供旬僑の食材選びが、豊富な栄養を摂るためのポイントですね。

No.0068 免疫力アップ(2023.08)

免疫力アップ
 コロナ禍と言われるようになってから、感染予防のために、免疫力を上げる食事の大切さが注目されるようになりました。
 1日3回バランスの良い食事(主食・主菜・副菜)を食べることが免疫力アップの基本になります。そのうえで、免疫力アップの食材を意識して食べましょう。

免疫力アップに食べたい食材
小松菜、かぼちゃ、人参などの緑黄色野菜
*効果的な栄養
 強力的な抗酸化作用があり、腸管バリアを維持し免疫力を高めます。
*食べ方
 油脂類と一緒に食べると吸収率アップ!
ブロッコリー、いちご、みかん
*効果的な栄養
 ビタミンC
 白血球(免疫細胞)の働きを強化し免疫力を高めます。
*食べ方
 水溶性のビタミンなので、ゆでるのではなく、蒸したり、電子レンジで調理すると、有効に摂取できます!
まいたけ、きのこ類
*効果的な栄養
 食物繊維
 免疫細胞を活性化させる働きがあります。腸内環境を整えることによる免疫力アップも期待できます。
*食べ方
 きのこ類を冷凍すると、細胞壁が破壊され、栄養が吸収しやすい状態に!
納豆、ヨーグルト、キムチ等の発酵食品*効果的な栄養納豆菌、乳酸菌
 腸内環境を整え、免疫力アップが期待できます。
*食べ方
 便と一緒に排泄されるため、毎日食べましょう!

No.0067 虫に注意!刺されないよう気をつけましょう(2023.07)

虫に注意!刺されないよう気をつけましょう
●危険な虫が身近にいます
山や公園、家の庭など、身近な場所にも人に被害を与える虫がいます。山には、スズメバチやアシナガバチが、畑や川にはブユ(ブヨ・ブト)が、草むらや、林にはマダニが、庭の植込みにはチャドクガがいるかもしれません。
虫に刺されたり咬まれたりすると、かゆみ・痛み・腫れなどが起こります。
その原因には、
①刺される(咬まれる)という物理的な刺激
②虫の毒成分の刺激
③虫の唾液成分や、毒成分に対するアレルギー反応
の3種類があります。
これらのアレルギー反応によってかゆみが起こります。
●虫に刺されてしまったら
痛みやかゆみが軽い場合には、刺された場所を水で洗い流して清潔にし、かゆみ止め外用薬を塗ります。
患部を冷やすと、かゆみがある程度抑えられることもあります。
症状が強い場合や、刺された虫の種類によって対処の仕方が違います。
医療機関の受診が必要な場合や、救急対応が必要な時もあります。注意しましょう。
●虫に刺されないために
野山に出かける時には、夏でも長袖、長ズボン、帽子、手袋などを着用して、肌を露出しないようにし、虫よけ剤を上手に使用しましょう。なお、乳幼児に対しては、使用制限等、注意書きをよく読んでから使いましょう。
●おまけ
兵庫県内や、近県において、マダニ・ツツガムシ病の、発生が続いています。全てのダニが感染の原因になる訳ではありませんが、ごく稀に重症化し、ごく稀に死亡の例もあることから、注意は必要になります。

No.0066 春キャベツで健康生活(2023.06)

天気痛

 雨の日や、雨が降る前に、頭痛やめまい・肩こりが起こる人がいます。ほかにもくび・膝・腰などの痛みや、耳鳴り・倦怠感・気分が沈むなど、起きる症状はさまざまです。もともとある症状が、雨の日に悪化することもあります。
 このような症状・状態は、天気痛(または気象病)と呼ばれています。
なぜ症状が起こるのか
 天候が崩れると気圧が徐々に下がります。耳には気圧のセンサーがあり、気圧の低下を察知すると考えられています。気圧の変動は体にとって、ストレスとして脳に伝わり、自律神経が乱れ、頭痛やめまい・肩こりなどを引き起こすことがあります。
症状を抑える・予防するには
 痛みや、めまいの原因となる病気があれば、きちんと治療することが重要です。薬剤を使用することもありますが、まずは生活習慣を改善することが大切です。
 天気痛が起こりそうなときだけでなく、予防に日ごろから耳をマッサージして、耳の血行を良くしましょう。
1)耳の上部を軽くつまみ、ゆっくりと上に引っ張る
2)耳の真ん中を軽くつまみ、ゆっくりと体の外側に引っ張る
3)耳の下部を軽くつまみ、ゆっくりと下に引っ張る
4)耳を外側に引っ張ったあと、前からうしろにゆっくりと回す
5)耳をたたむように塞ぎ、ゆっくりそのままにする
6)手のひらで両耳を覆い、前からうしろにゆっくりと回す
 温タオルで耳を温めてから行うと効果的です
 血流が不足すると痛みを引き起こす原因になるので、くびや肩など痛みのある箇所の筋肉をほぐしましょう。普段から体を動かすことは、全身の血行改善だけでなく、気分転換にもなりますよ。

No.0065 春キャベツで健康生活(2023.05)

みずみずしくやわらかな春キャベツで健康生活

 寒い冬もやっと終わり、穏やかで過ごしやすい季節となってきました。その一方で、春は体内のバランスを調整する自律神経が不安定になりやすく、体調を崩しがちです。今回は、この時期の体調管理に役立つ春野菜『春キャベツ』について紹介します。

 キャベツは人間との付き合いが古く、エジプトでは5、000年もの昔から栽培されていたと伝えられています。日本に伝わったのは江戸時代で、明治時代になると本格的に食用としてキャベツが作られるようになりました。
 
 キャベツの大きな特徴として、胃の粘膜を健康に保つ働きがあり、これを主成分とする胃腸薬もあります。古代からの人が二日酔い防止に食べていたのにはそれなりの理由があったのです。気持ちを落ち着かせる働きのあるビタミンCはオレンジと同じくらい豊富です。スーパーフードといわれ、高血圧を改善する・血糖値を下げる・免疫力を高めて風邪を予防する・動脈硬化も予防する、などの効果が期待できます。直接に健康を守るほか、肌つやがよくなる・しわやたるみが減る・便秘解消に役立つ、などうれしい効果もあるといわれています。
 
 キャベツは、季節によって産地を変え、それぞれの土地に合った品種を育てるため、1年を通して露地ものが出荷されています。春から初夏にかけて収穫されるのが『春キャベツ』。葉の緑色が鮮やかで光沢があり、巻きがふっくらしています。みずみずしくやわらかいのが特徴で、コールスローなどのサラダや漬物など、生食がおすすめです。軽く茹でて調味料で和えるだけで付け合わせの出来上がり!
 
 身近な食材の春キャベツを有効活用して、健康長寿を目指してくださいね。

No.0064 「骨」(2023.04)

定期的に健診を受けましょう

 ゴールデンウイークも近くなり、そろそろ町ぐるみ健診の申し込みの時期がやってきました。皆さんは、健康診断を定期的に受けていますか?
 会社勤めをしていたら、定期健診を受ける機会がありますが、そうでないと健診を受ける機会が減ってしまうかもしれません。また、元気な時は仕事や家事、子育てなど目の前のことが忙しく、わざわざ病院や会場に行く健診を面倒に感じてしまうかもしれません。しかし、いざ病気になると「もっと早く健診を受けていたら…」と、後悔しないためにも、自覚症状が無い時に定期的に健診を受けることが大切です。
 また、自覚症状がある場合は必ず医療機関を受診しましょう。
●体のSOSを早期に発見
 令和3年度の死因順位は男女ともにがん(悪性新生物)が1位でした。がんの中には早期に発見し、適切な治療をすれば治すことのできるものもあります。症状が出る前に対処することが大切です。
●生活習慣を見直す機会に
 健診結果で異常や悪化があれば、健康状態に問題があるかもしれないサインです。健診結果をもとに、自分に合った生活習慣の改善や病気の予防につながるアドバイスを専門職から受けることができます。
●家計の医療費負担も減らせる
 健診を受けないと、気づいたら、病気が重症になり、高額な治療費が必要になってしまうことがあります。健診を受け、病気の予防や早期発見に努めると、軽度の治療で短期間にすむ場合も多く、日常生活への影響が少なく、医療費の負担も抑えることができます。
 健診会場では換気や消毒を行いながら、感染防止対策に努めています。
 受診を迷われている方は今年こそ健診を受けましょう。

No.0063 「骨」(2023.03)

「骨」
骨を丈夫にする栄養素
カルシウム
骨の材料となり、強い骨を作ります。
〈多く含まれる食品〉
牛乳、ヨーグルト、豆腐、干しエビ、鯖水煮缶、しらす干し
ビタミンD
カルシウムの吸収を助けます。
(吸収力アップ方法:カルシウムと同時に摂る)
〈多く含まれる食品〉
鮭、うなぎ、さんま、乾燥きくらげ、干ししいたけ
日光浴でビタミンDが作られます。
直射日光を長時間浴びることは皮膚が赤くなるなどダメージに繋がりますが、適度な日光浴は健康に役立ちます。冬であれば30分~1時間程度散歩に出かけたり、夏であれば暑さを避けて木陰で30分過ごすだけで十分です。
ビタミンK
骨の形成を促す働きがあります。
〈多く含まれる食品〉
納豆、小松菜、ブロッコリー※抗血液凝固薬のワーファリンを処方されている方は、薬の効果が弱くなってしまうことがあるため注意が必要です。特に納豆、青汁、クロレラは避けてください。

骨を弱くする成分
塩分⇒塩分を取り過ぎるとカルシウムの流出につながります。
リン⇒加工食品に含まれるリンはカルシウムの吸収を妨げます。(多く含まれる食品:ハムやベーコン、練り物、カップラーメン、スナック菓子等)
アルコール⇒カルシウムの吸収を悪くし、ビタミンDの働きも抑えます。
ニコチン⇒カルシウムの吸収を悪くします。禁煙が原則です。
 
骨を作る栄養素は適度な運動によって吸収がよくなります。
ウオーキングなどの適度な運動を続けましょう。

No.0062 手指消毒と手荒れ(2023.02)

手指消毒と手荒れ

 手指を消毒しすぎて手荒れを起こしていませんか?
 たとえば、新型コロナウイルス感染症は、主にウイルス粒子を気管から吸い込むことにより感染します。ウイルスが付いた手指で、目や鼻、口の粘膜に触れなければ、感染する可能性は低いです。
 むしろ過度な手指消毒は、皮膚が本来持っているバリア機能を損ない、手荒れ・手湿疹の原因となるだけでなく、細菌や真菌、ウイルスへの感染防御力を弱めてしまいます。
●バリア機能
・皮膚の表面は角質層で覆われていて、アレルゲンや細菌、真菌、ウイルスなどの侵入を防ぐバリアとして働きます。
・弱酸性に保たれた角質層の表層が、細菌の繁殖を防いでくれます。
●感染防止
・アルコール消毒はあくまでも手洗いができない時のかわりです。たとえば、ノロウイルスはアルコール消毒では防げません。石鹸でよく手を洗いましょう。
・アルコールは角質層の皮脂を取り除いてしまい、手荒れの原因となります。食器用洗剤も、アルコールを含まないものの方が手荒れを起こしにくいです。
・手荒れは炎症を招き、炎症によりさらに皮膚のバリア機能が低下します。
●皮膚の健康
・石鹸でよく手を洗って十分に水で流したら、清潔なタオルやペーパータオルで軽く水をぬぐい、保湿剤やハンドクリームを塗って皮膚を保護します。
 感染防止は大事だと思っています。でも、手荒れを起こしてしまえば、その消毒さえも痛くてできなくなります。『感染防止』・『手荒れ防止』でお願いしますね。

No.0061 いまさら聞けないコロナの話(2022.12)

いまさら聞けないコロナの話

会話の中で、挨拶にコロナの話をすることがありませんか?
話の中で出てくるむずかしい言葉を、なんとなく雰囲気で会話したりしていませんか?
今回は、私が質問を受けた医療用語について簡単に答えてみますね。

◎そもそもコロナってどんな病気?
*新型コロナウイルス感染症は、咳やくしゃみ、会話などの時に排出される水の粒(飛沫)やエアゾル(さらに小さな水の粒)を吸い込んだり(飛沫感染)、ウイルスが付いたものを触った手で、目や鼻、口を触ったりすることにより感染します。(接触感染)
*大きな特徴は発症の直前・直後でウイルス排出量が多くなるため、無症状の感染者が感染を広げてしまう可能性があることです。

◎検査にはどんなものがある?
*現在の感染の有無を調べる検査は3つ、PCR検査・抗原定量検査・抗原定性検査があり、いずれも被験者の細胞内にウイルスが存在しているかどうかを調べます。

◎抗原定性検査って?
*ウイルス特有のタンパク質が存在するかどうかを調べます。
*検査時点の感染の有無がわかります。
*検出には一定以上のウイルス量が必要ですが、結果が30分程度で出ます。

◎PCR検査って?
*ウイルスの遺伝子を増やして、検出しやすくします。
抗原定性検査より少ない量のウイルスでも検出できます。
*判定に数時間がかかります。

◎抗体って?
*ウイルスが人の体内に入ると、異物であるウイルスを排除しようとする免疫の仕組みが働き(免疫反応)、発熱などの症状が現れます。
抗体が攻撃目標となるウイルスを記憶し、再び侵入してきたときに直ちに攻撃するために、体内を巡りながら監視を続けています。
*抗体検査で過去の感染歴がわかります。
 
今年はコロナで業務が手一杯となり、あぜみち掲載をお休みする月もありました。来年こそは落ち着いてわかりやすいお話ができたらなあ~と思っています。
 
一年間つたない話にお付き合いいただき、ありがとうございました。

No.0060 栄養満点!低カロリー!!(2022.11)

栄養満点!低カロリー!!

 そろそろ新蕎麦が出てきましたが、もう食べられましたか?
 穀物は私たちの活動エネルギーの供給源であり、しっかり摂取することで健康と長寿が期待できます。中でも蕎麦は非常に栄養価が高い食品といわれています。
 蕎麦には植物性たんぱく質が多く含まれており、たんぱく質を構成しているアミノ酸のバランスがとても良いです。

◎成長や発育
  • 栄養素の代謝を助け、発育に大切な必須アミノ酸が多く含まれているのが特徴で、皮膚や粘膜を保護し、肌・爪・髪の発育や体全体の抵抗力を強める働きをします。

◎疲れや衰え
  • 『疲労回復ビタミン』と呼ばれるビタミンを多く含みます。
  • 糖分やでんぷんなどの糖質をエネルギーに変えるのに不可欠で、不足すると、体力の低下や、イライラ・食欲不振につながります。

◎脂肪の蓄積などの予防
  • 蕎麦には、活性酸素を除去する酸化防止作用があり、老化や、生活習慣病などの予防に役立つと言われています。
  • 栄養満点の蕎麦ですが、低カロリー食品としても知られています。太りやすさを示す指標の値は、米や、パン・パスタ・うどんなど他の穀類より低く、ダイエット時にも安心して食べることができます。

 水に溶けやすい性質があるため、栄養を逃がさないためには、蕎麦湯を飲むのがおすすめです。
 蕎麦といえば、薬味も大事です。ネギや大根おろしなどは食欲アップを助け、ワサビはその辛み成分で、蕎麦のビタミンの働きを高めてくれます。
 青シソや唐辛子なども、試してみたいですね。

No.0059 気になる口臭、その原因は?(2022.10)

気になる口臭、その原因は?

 朝起きた時や緊張した時、口臭を感じることはありませんか?
 
 これらは唾液の量が少なくなり、口の中が乾燥することで、口の中に細菌が増え起こる生理的な現象です。歯磨きを丁寧にする、規則正しい生活、十分に水分を摂るなど気をつければ改善されます。
 それ以外に口臭の多くの原因となるのが、口の中の病気、舌苔(ぜったい:舌の表面につく白い苔状のもの)や歯周病です。舌苔から作られる物質(揮発性硫黄化合物)が口臭の主な原因と言われています。つまり、舌の清掃で舌苔を除去することが、最も有効な予防法となります。
 その他、ユーカリ抽出物配合チューインガムや、プロテアーゼ(酵素)を含有するタブレットも口臭が軽減されるという報告があります。
 食べ物では加熱処理されていないグリーンキウイフルーツ、パイナップル、飲み物では緑茶でも効果があるとされていますので、生活の中に取り入れてみてもいいかもしれません。
 歯周病は、ほとんど痛みもなく進行していきます。何の自覚もないのに家族から口臭を指摘されるようになったら、一度歯科を受診して専門的な治療を受けましょう。
 また、口腔内以外にも原因があることがまれにあります。月経周期、喫煙、糖尿病・肝疾患・尿毒症・肺がん・トリメチルアミン尿症などでも口臭が発生します。体調の変化等あれば担当医に相談しましょう。
舌清掃の方法(厚生労働省 e‐ヘルスネットより引用

〈舌ブラシの使い方〉
 舌清掃は、毛先の柔らかい小児用の歯ブラシや目の粗いタオルなどを使ってもかまいませんが、専用の舌ブラシを使うとより効果的です。イラストを参考に以下の手順で行ってください。
鏡を見ながら舌を思いきり前に突き出して、舌の後方に舌苔がついていないか確認してください。
舌ブラシを鏡で見える最も奥に軽くあて、手前に引いてください。決して力を入れ過ぎないようにしてください。またこの時に息を数秒間止めながら行うと、嘔吐反射が出にくくなります。
舌ブラシの先を水道の水でよく洗い、舌ブラシの先に汚れ(舌苔)がついてこなくなるまで、を繰り返してください。

 1日の舌清掃の回数は、起床時の一回で結構です。それ以上行うと舌の粘膜を傷つけるおそれがあります。また舌に傷や潰瘍があるときは、舌清掃を中止してください。

No.0058 ストレスに強くなるために(2022.09)

ストレスに強くなるために

 ストレス過多は自律神経バランスの乱れにつながる 
体の中には、隅々まで血液が流れています。その血液をコントロールしてくれているのが自律神経です。
自律神経は、循環器・消化器・呼吸器などの体のあらゆる器官の活動を調整するため、24時間働き続けていて、自分の意志でコントロールすることは難しいです。
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」に分けられています。
『交感神経』が働くと血管が収縮し、心拍数や血圧は上昇・気分は高揚して活動的な状態になります。
『副交感神経』が働くと血管が広がり、心拍数や血圧が低下して、リラックスした状態になります。どちらかが過剰に強く働くことは好ましくなく、両方がバランスよく機能することが大切です。
さまざまな事情により、ストレス過多の状態になると、自律神経のバランスが乱れ、不眠や、食欲不振、疲れやすくなるなど、体に不調が起こりやすくなります。

 ストレスに強い体を作るために行いたい毎日の習慣 
①朝、目覚めたら日光を浴び、朝食をとる
・味噌、納豆、ヨーグルトなどの発酵食品と食物繊維は腸内環境を整えるためにも積極的に摂りましょう
②1日1回3分間程度、ゆっくりとした深い呼吸をする
・鼻から3~4秒かけて「すーっ」とゆっくり息を吸い、次に口をすぼめて6~8秒かけて「ふーっ」と、できるだけゆっくり長く息を吐き出す
③適度な運動を行う
・ウォーキングや、階段の昇り降りなどを行う
④こまめに水分を補給する
・脱水は自律神経バランスを乱す
⑤寝る前にお風呂に入って、湯(39~41℃)につかる
・質の良い睡眠につながる

自律神経のバランスを整えさせるために毎日の習慣を見直すと、ストレス解消や規則的な生活習慣につながり、健康的な生活を送るのに役立ちます。
できることからまずは始めてみましょう。

No.0057 腸活しましょう!(2022.08)

腸活しましょう!
  JA兵庫厚生連
 
 腸内細菌ってなに?  
 腸内には約1、000種類、100兆個の細菌が生息しています。大きく分けると、善玉菌・悪玉菌・どちらでもない中間の菌の3グループです。健康的な腸内とは、善玉菌がその他の菌に比べて活発な状態です。
 腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などと密接な関係があり、これらの病気がある人の腸内細菌は健康な人と比べて著しく変化しています。そのため、体の健康には、腸内の善玉菌が占める割合を増やすことが重要です。

 善玉菌の効果    
・悪玉菌の増殖を抑え、腸内細菌のバランスをとる役割
・便通の改善
・食中毒菌や病原菌への感染予防
・がんの予防(発がん性腐敗産物の産生抑制)
・腸内でビタミンB群や葉酸などを産生
・コレステロールの低下
・免疫機能の向上

 善玉菌を増やすには? 
・「生きた善玉菌を摂取する!」
 ビフィズス菌や乳酸菌などを含むヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物などを摂取しましょう。ただし、これらの菌は腸内に住み着くことはないため、毎日摂取して腸に補充することがおすすめです。
・「腸内に存在する善玉菌を増やす!」
 野菜類・果物類・豆類などに多く含まれるオリゴ糖や食物繊維は、腸内にもともと存在する善玉菌に「栄養源」を与えて、数を増やします。主食を玄米ごはん、麦ごはん、胚芽米ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えると、効率的に食物繊維を摂取できます

No.0056 お薬の飲ませ方(2022.07)

お薬の飲ませ方

 病気やケガで、医療機関を受診すると、粉ぐすりや、粒のくすり・水ぐすりなどいろいろな薬が処方されます。大人でも飲みにくい粉ぐすりを、子供さんに飲ませるのは、もっと大変ですね。飲み方のコツを少しだけアドバイスしたいと思います。

 お薬の飲ませ方   
◎乳児
 水ぐすりはそのままで、粉ぐすりは少量の湯冷ましで、ペーストから団子状にして指にすくい取り、上あごにこすりつけて、そのあとに、水・湯冷ましなどを与えます。
 溶かすときはひとくちで飲める量にしましょう。
 ミルクに混ぜると、全部飲まなかったりミルク嫌いになったりするので、少量の湯冷ましに溶かして薬を飲ませ、それからおいしいミルクを与えましょう。

◎幼児
 水ぐすりも、粉ぐすりもなるべく他のものに溶かさないで、そのまま飲む習慣をつけましょう。あとがらくになりますよ。薬を嫌がるときは、本人が納得すれば何に混ぜても構いません。
 牛乳、ヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品に混ぜると苦みがやわらぎます。
 スポーツドリンクやジュースに混ぜるとかえって苦みが強くなることがあるので注意!
 粉ぐすりを水に溶かし、凍らせてから飲ませるのもよいでしょう。
 食後は満腹で飲まなかったり、食べたものと一緒に吐いてしまうこともあるので、授乳直前や食前に飲ませるようにしても構いません。

◎1日3回って?
 食事にとらわれず、1日の中で3回飲ませてください。
 たとえば、朝7時頃、昼1時頃、夜7時頃などを、目安にしてください。
 登園児などは、朝食前、後、下校時、就寝前など多少の時間の変動があっても構いません。
 ただし、薬によっては食後と決められているものもあるかもしれません。
 主治医に確認しておいてくださいね。

No.0055 加熱式タバコと健康(2022.06)

加熱式タバコと健康

 タバコが健康に悪影響を及ぼすことは、広く知られています。それでも簡単にやめられないのがタバコです。
 近年は、煙がでないことなどを理由に、喫煙者本人や周囲への健康影響を考え、加熱式タバコへ切り替える方が多くみられます。
 それって、本当にだいじょうぶ?

加熱式タバコってどんなもの?
 加熱式タバコとは、タバコ葉やその加工品を電気的に加熱し、発生させたニコチンを吸入するタバコ製品です。

●健康への影響は?
 加熱式タバコの主流煙に有害物質が含まれていることは明らかですが、長期使用に伴う健康影響は明らかになっていません。ただ少ない量であっても、タバコに含まれる有害物質にさらされることについては安全なレベルというものがなく、喫煙者と受動喫煙者の健康に悪影響を及す可能性は否定できません。

●加熱式タバコに切り替えると禁煙に成功しやすいの?
 加熱式タバコは禁煙を妨げると言われています。加熱式タバコの主流煙に含まれるニコチン量は紙巻タバコと同様か7~8割程度あると言われており、加熱式タバコの単独使用であってもニコチン依存症に陥ります。
 つまり、禁煙に成功する、しないには関係ありません。

加熱式タバコの使用者も健康保険による禁煙治療の対象です
 禁煙には、禁煙補助薬や禁煙治療のサポートを活用するのがお勧めです。
 紙巻きタバコから加熱式タバコへ切り替えたことをゴールとするのではなく、最終的には、加熱式タバコの使用を中止することをめざしましょう。


No.0054 貧血予防に春アサリ(2022.05)

貧血予防に 春アサリ

 春の日差しが心地よくなる頃は、潮干狩りの季節になります。
 春のアサリは、夏の産卵期を前にしっかり栄養をとって成長しているので、うま味がたっぷり、とても美味しくなっています。
 小さな身の中には、タンパク質、ビタミンB12、鉄、亜鉛など豊富な栄養素が凝縮され、栄養の宝庫です。
 とくに、血液をつくる鉄、亜鉛といった造血ミネラルは、ビタミンB12と一緒にとることによって、より効果が高められるといわれているので、貧血の予防にはピッタリです。また、ビタミンB12には、肝臓の機能を強化する働きもあるため、飲酒時に一緒に食べることで、悪酔いを防止することも期待できます。
 良質なタンパク質を多く含み、低カロリーなのも、アサリの特徴で、栄養不足から貧血になりやすいダイエット中の方には、ぜひ食べてほしい食品です。
 みそ汁、酒蒸し、ワイン蒸しなどにして、うま味成分や栄養素を逃がさずに、煮汁ごと食べられる調理法がお勧めです。
 ボウルやバットにアサリを並べ、ひたひたになるくらいの塩水に一晩つけます。新聞紙を上にかけ、光を遮断します。新鮮なアサリほど勢いよく吐き出すので、塩水が飛び散るのも防いでくれます。
 砂抜きが終わったら、殻をこすり合わせるようにして、水洗いを十分してください。
 スパゲティーや、クラムチャウダーなど、洋風のメニューも、ぜひ試してくださいね。
 最近のニュースは、つらい話ばかりだったので、今回は美味しそうな話にさせていただきました。
 コロナの終息までまだまだ耐え忍ばないといけないかもしれません。辛抱強く頑張っていきましょう。

No.0053 定期的に健診を受けましょう(2022.04)

定期的に健診を受けましょう

 元気な時は仕事や家事、子育てなど目の前のことで忙しく、健診を面倒に感じてしまいがちです。
 しかし、いざ病気になったら「もっと早く健診を受けていれば…」と後悔しないでしょうか?
 健診を受けると、どのような良いことがあるかチェックしていきましょう。
体のSOSを早期に発見!
 健診は、体の異常を早期に発見できるチャンスです。とくに生活習慣病は自覚症状がないことも多く、知らないうちに悪化してしまうこともあります。体の小さな変化に気づくためには、一年に一回健診を受けることが大切です。
生活習慣を見直す機会に!
 保健師などからアドバイスも受けられます!
健診結果で異常や悪化があれば、健康状態に問題があるかもしれないというサインです。健診結果をもとに、自分に合った生活習慣の改善や病気の予防につながるアドバイスを専門職から受けることができます。正常な値だとしても、毎年健診を受ける中で悪化傾向の項目がないか確認してみましょう。

家計の医療費負担も減らせる!
 健診を受けずにいると、気づいたときには病気が重症になり、高額な治療費が必要になってしまうことがあります。毎年健診を受け、病気の予防や早期発見に努めていると、短期間や軽度の治療で済み、日常生活への影響が少ないだけでなく、家計の医療費負担を抑えることもできます。

新型コロナウイルスが気になって、受診を控えていませんか?
 新型コロナウイルス感染症を予防することも大切ですが、自覚症状が現れにくい生活習慣病やがんの予防・早期発見・早期治療も同じように大切です。定期的な健診で、自分の体をしっかり知ることが、健康維持の第一歩です。
 健康診断の会場では換気や消毒を行うなど、新型コロナウイルスの感染防止対策に努めています。
 受診の前には、ご自身の体温測定など、体調に問題がないことを確認してから受診しましょう。

No.0052 春のお彼岸に食べる「ぼたもち」(2022.03)

春のお彼岸に食べる「ぼたもち」

 お彼岸といえば「お墓参り」と「ぼたもち」です。
 仏教では、太陽が真東から上り真西に沈んで、昼と夜が同じ長さになる日が、故人への思いがいちばん通じやすいと考えられることから、春分の日と秋分の日にお墓参りをしたり、お供えをしたりする風習が生まれたとされています。
 「ぼたもちと、おはぎの違いは何?」という問いをよく耳にしますが、「ぼたもち」と「おはぎ」は同じものです。
 あんこの原料となる小豆の収穫は秋で、収穫したての皮は柔らかいので「つぶあん」、春は皮が硬くなるので「こしあん」でいただくことが多かったようです。
 小豆の煮汁には解毒作用があり、小豆の赤色には魔除けの力があるとされ、邪気を祓う食べ物としてご先祖さまの供養のときにお供えしたのがはじまりで、次第にお彼岸などにいただくようになったといわれています。
 小豆は、小さな粒の中に栄養をいっぱい含んでいる健康食品です。
 主成分は、必須アミノ酸を含むタンパク質で、食物繊維やビタミン・ミネラルも豊富です。食物繊維は腸内環境を整えて、善玉菌の活動を活発にします。不溶性植物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれていて、便秘解消、大腸がんの予防、血糖値の急上昇を抑える、動脈硬化の予防など、さまざまな効能があげられます。
 ほかに、肌荒れや貧血の予防、むくみ解消など、健康効果だけでなく美容効果も期待できるとされています。
 このように、良いことばかり書いてきましたが、残念なことに、美味しいからといって食べ過ぎると、すぐにカロリーオーバーになってしまいます。
 糖尿病の方など、症状によっては、禁止される場合もあるかもしれません。
 不安のある方は、主治医の先生に相談されてからにしてくださいね。

No.0051 目がかゆい (2022.02)

目がかゆい
 
 例年、早ければ1月頃から春先にかけて、スギやヒノキの花粉が飛散して、アレルギーの症状が現れるのが『花粉症』で、今や国民病と言われるほど多い病気です。
 雨が降った翌日の晴れた日や、風の強い日には、花粉が多く飛びます。
 こんな日は、できれば外出を避けたいくらいです。

花粉から目を守るために
 外出する時には、つばのついた帽子を被り、メガネをかけてなるべく花粉が目に入らないようにしましょう。
 ゴーグル型のメガネは普通のメガネより花粉の侵入防止に高い効果がありますが、メガネをかけるだけでも目の表面に飛び込む花粉は少なくなります。
 目に入った花粉は、市販されている人工涙液で洗い流すと良いでしょう。
 防腐剤の入っていない方が、目の粘膜にやさしいのでお勧めです。

初期療法で早めの対策を
 花粉飛散の初期で症状がないか、あってもごく軽度の時期から抗アレルギー点眼薬の治療を開始すると、症状の発現期間の短縮、花粉がたくさん飛ぶ時期でも症状が軽くなるといった効果が期待できます。
 抗アレルギー点眼薬には、かゆみを起こす物資を出しにくくする作用や働きを抑える作用があります。 
 目がかゆいときには、抗アレルギー点眼薬を医療機関で処方してもらいましょう。
 点眼薬は、点眼回数を守り、かゆくなった時だけ点眼するのではなく、症状がある間は点眼を続けることが大切です。
 早めに医療機関を受診し、相談しましょう。

No.0050 ストレッチで、からだをメンテナンスしよう!(2022.01)

ストレッチで、からだをメンテナンスしよう!
 
 コロナ禍で、家に引きこもるようになってから3年目に入りました。
 徐々に活動が再開されておりますが、この間に体力・筋力の低下した方が当院にも来られるようになりました。自宅に引きこもりがちなこの時期です。定期的なストレッチでからだを動かしましょう。
 今月は、長時間座りっぱなしの生活で問題となる肩まわり・腰まわりのストレッチを紹介します。無理なく痛みのない範囲で、息を止めずに行いましょう。
 整形外科的な問題がある方は、主治医に相談してからにしてくださいね。

*生活の中でこまごまと動く量を増やそう
 消費量運動習慣のない方は、生活の中のこまごまとした活動が1日のエネルギーを大きく左右します。
 じっとしている時間を減らし、こまごまと動く量が増えるよう、日常の生活環境を見直しましょう。また、じっとしていても、15分ごとに1回3分程度、少し動くだけで、たとえば食後の血糖値の上昇などが改善します。その場合には、ただ立ち上がるだけでなく、ゆっくりでも良いので動き回ることが大切です。
 オフィスならトイレに行ったり、コピーを取ったり、自宅ならちょっとした家事などを、座りっぱなしの生活に挟み込んでみてください。
 しっかり運動することはもちろんですが、日常のこまごまとした活動にも目を向け、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」で健康的に過ごしましょう。

No.0049 丁寧に!なごやかに!(2021.12)

丁寧に!なごやかに!

 クリスマスの翌日には、街のディスプレイは見事に一掃され、お正月の和飾りに変身します。こんな国は日本だけかもしれません。それほど日本人にとって、お正月とはあらたまった特別な行事なのです。
 確かに私が子どもの頃、元旦には何もかも一新したような空気が流れていました。お店も、ほぼすべてが休業し、三が日は不便なのが当たり前でした。そのために、作り置きできるおせち料理があるそうです。本来のおせちの重箱は「五段」、五段目のお重は空のままにするそうです。来年は、より豊かになって、「このお重にも食べ物が詰められますように」との願いを込めます。
 お正月には、お餅を食べる機会が増えます。万が一に備え、家族や身近な人がお餅などをのどに詰まらせないように、注意してください。

◎小さく切り、食べやすい大きさにする
◎お茶などで、のどを潤してから食べる(流し込むのは危険!)
◎ゆっくりとよく噛む。一口の量は適量に◎姿勢を正し、集中して食べる


 年神様に一年の無事と平安を願うお正月。せめてお正月だけでも、昨年までの雑な生活をちょっと反省して、いつもより「少し丁寧に・少しなごやかに」を心がけて過ごしてみたいと思います。

 『見ていますよ~』と声をかけてくださることを張り合いに、来年も難しくなくよくわかるお話ができたら良いなぁ~と思っております。
 今年もお付き合いいただきありがとうございました。
良いお年をお迎えくださいね。

No.0048 ノロウイルスはどうしてこわい?(2021.11)

ノロウイルスはどうしてこわい?

ノロウイルスは感染力が強く、しばしば集団感染を引き起こします。

■ノロウイルスはどうしてこわい?
・感染から1~2日で激しい嘔吐や下痢があらわれるほか、人によっては発熱、頭痛などを伴います。
・ウイルス量が少しでも感染するほど強い感染力を持っているため、集団感染につながるおそれもあります。
・抵抗力の弱い小さなお子さんやお年寄りは、重症化することもあります。脱水や、吐物による窒息・誤嚥などで死にいたる時もあります。
・食中毒と感染症の性質をあわせもつノロウイルスは一年中発生します。特に11月~春先に多く発生します。

■予防・対策で感染の防止に努めましょう。
・爪は短く切り、手洗いの前には、時計や指輪をはずす。
・トイレのあと、調理前、食前には、必ず『しっかり』と手を洗う。
・蛇口にウイルスが付着していることもあるため、接触に注意する。
・タオルの共有は危険!個人用のタオルや、キッチンペーパーなどの使い捨てのもので手を拭きましょう。
・「中心温度85~90℃以上で90秒以上の加熱」をすれば、感染性はなくなるとされています。食品の中心部までしっかり加熱することで、ウイルスを無害化しましょう。
・感染者の便や吐物の中にあるウイルスは、乾燥すると空気中にほこりとともに散って、二次感染の原因となることがあるので、感染者の汚物・吐物はすばやく確実に処理する。

ノロウイルスには特効薬やワクチンがないため、日ごろからの予防が大切になります。
おもな症状や感染ルート・予防・対策方法など、正しく知識を身につけて感染を防ぎましょう。


No.0047 1日5皿!野菜を食べていますか?(2021.10)

1日5皿!
野菜を食べていますか?

野菜は健康に良いとよく言われていますが、理由を知っていますか?
◎野菜には様々な栄養素が含まれており、多くの大切な働きがあります
・低エネルギーでカサが高いので、満腹感を得られ肥満の予防になる
・食物繊維にはコレステロールや中性脂肪を低下させ、血糖の上昇を抑制する働きがある
・カリウムが余分なナトリウムを排泄し、血圧の上昇を抑制する効果がある
・ビタミンやポリフェノールなどの栄養素により、老化の原因となる活性酸素の発生を抑える作用がある
・食物繊維が腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える
・肥満の改善により、生活習慣病の予防・改善につながる

◎無理なく野菜を取り入れる工夫
・いつもの料理に野菜を多く加える(カレーやパスタなど)
・野菜をゆでる時に多めにゆで、翌日にも使用する
・トマトや酢漬けなどそのまま食べられる野菜を常備しておく
・カット野菜、冷凍野菜を利用する
・外食の時は野菜が多いメニューを選ぶ、単品の野菜料理を追加する

◎どれくらい食べれば良いのでしょうか
 厚生労働省では、「野菜類を1日350g以上食べましょう」と掲げています。しかし、日本人の平均量は、成人男性約300g、女性約280gで目標量より不足しています。意識しなければ十分な量を食べることは難しいようです。
 また、野菜によっても含まれる栄養素が異なるため、3分の1は色の濃い野菜(緑黄色野菜)を摂りたいです。
 野菜の小鉢一皿が約70g、小鉢5皿が1日に摂りたい野菜の量になります。野菜を多く使った主菜(例:八宝菜)なら1品で2皿になります。

 まずは1日何皿の野菜を食べたか数えることから始めましょう。

No.0046 こむらがえり 足がつった時の対処法(2021.09)

こむらがえり
足がつった時の対処法
 
 突然ですが質問です外「つと」「つとはら」「ふくら」と聞いて何を想像しますか?ヒント①身体の部位の名前、ヒント②「こぶら」「こむら」「ふくらはぎ」すべて同じ部位の名前です。わかりましたか?正解は『こむら』これが標準語になるそうです。
 
■急に足が「つって」しまう
 こむら(ふくらはぎ)の筋肉がけいれんを起こして、つってしまうことを「こむらがえり」と呼んでいます。けいれんに伴って突然強い痛みが生じることが特徴で、時にはこむら(ふくらはぎ)以外の筋肉に起こることもあります。水分不足、カリウムやナトリウムなど電解質の不足、筋肉の疲労、足の抹消の血流障害、神経の障害などが原因として考えられていますが、多くの場合は特定ができません。
 
■こむらがえりの対処法
 症状が出ないようにするためには、原因となる病気の治療や、日頃から運動の習慣をつけるのも効果的です。運動前に、ストレッチや準備運動などを行いましょう。ただし、暑い時期の運動などは、熱中症や脱水に気をつけましょう。
 また、適切に水分や電解質を十分に摂取すると、筋肉が疲れにくくなります。日常の食生活では、マグネシウムの多い食材を意識してとりましょう。含有量が多いのは、しらす・昆布・はまぐり・あおさ・あさり・わかめと海の幸が続きます。山の幸では、アーモンド・カシューナッツ・練りごま・小豆と続きます。それでもこむらがえりが生じた場合は、・収縮した筋肉をゆっくり伸ばす。
・水分を取り、局所を暖めて血流をよくする。
・マッサージをして筋肉を和らげる。
 などの対処を行い、こわばりをほぐすことが大切です。
 繰り返し足がつる場合は、原因となる病気がないか、かかりつけ医に相談しましょう。

No.0045 熱中症(2021.08)

熱中症とは?

 例年だと夏期(7月~9月)に熱中症による救急搬送の方が増加します。
 熱中症とは、室温や気温が高い中での作業や運動により、体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、体温上昇・めまい・体がだるい・ひどい時には、けいれんや意識の異常など、様々な症状をおこす病気です。
 家の中でじっとしていても室温や湿度が高いために、熱中症になる場合があるので、注意が必要です。また、コロナ禍においては、マスク使用によりのどの渇きに気がつかなかったり、水分が取りにくいのも要因と考えられます。

熱中症予防のポイント
・普段過ごす部屋に温度計を置き、部屋の温度をこまめにチェックする
・室温が28度を超えないように、エアコンや扇風機を上手に使う
・のどが渇いたり、のどが渇かなくても、少しずつ頻回に水分補給する
☆水1リットル、砂糖20グラム、塩5グラム、少量のレモン水などで簡単なドリンクができます。吸収も早いとされています
・外出の際は体をしめつけない涼しい服装で、日よけ対策を行う。また、適度に休憩する
・日頃から栄養バランスの良い食事と、体力づくりをする
・自宅や自家用車など、他人のいないときは適宜マスクをはずす

こんなときはためらわずに救急車を呼びましょう
・自分で水が飲めない・脱力感や倦怠感が強く動けない場合
・意識がない(おかしい)・全身のけいれんがある

熱中症は予防ができる病気です
熱い夏を元気に過ごすため、熱中症のことをよく知り、しっかり予防しましょう。
心臓や腎臓、その他持病をお持ちの方は、夏の過ごし方についてかかりつけの医師に相談し、上手にコントロールしましょう。

No.0044 あせも(2021.07)

あせも

 日本の夏はムシムシ、ジメジメしていて、むし暑いという言葉がピッタリです。コロナ禍がなければ、子どもたちも夏休みになり元気に外で遊んでいることでしょう。少し前の子どもたちは、『日焼け』や『あせも』など、日常茶飯事でした。今回は、『あせも』について簡単に書いてみますね。
 
あせもとは?
 汗の出口がふさがれて炎症がおこったもので、額や首の周り・胸・背中など汗のでやすいところに多くみられます。最近はマスクを着けていることが多いので、くちの周りもみられるようになりました。

*家庭で気をつけること
・汗をかきっぱなしにせず、こまめに着替えましょう
・汗を吸いやすい木綿やガーゼの肌着にしましょう
・裸でいるとかえってあせもができやすくなります
・お風呂やシャワー浴で汗を頻回に流しましょう

*涼しくする!
・周囲に他人がいない時は、適度にマスクを外しましょう
・クーラーを冷やし過ぎないように注意しながら、使いましょう
・扇風機を使いましょう(遠くからの微風で)
・アイスノンを頭や首周りに使用する
 
汗をかくことも大切です
 汗をかくことで汗腺の働きが活発になり、体温を一定に保つことができるようになります。快適な環境にいつもおかれていると、体温調節を行う必要がなくなるので、気温の変化についていけなくなってしまいます。子ども時代にたっぷりと、汗をかく経験をすることは大切なことだと思います。

No.0043 かゆかゆ カサカサ 夏の乾燥に注意(2021.06)

かゆかゆ カサカサ
夏の乾燥に注意
 
 皮膚が白く粉をふいている・カサカサしている・ひび割れている・とにかく痒い!それは、『皮脂欠乏症(乾皮症)』かもしれません。皮脂欠乏症は、皮膚の表面の、あぶら(脂)が減少することにより皮膚の水分が少なくなり乾燥を生じる病気です。

皮膚の乾燥を引き起こす要因
・加齢…うるおいを保つために必要な物質が加齢に伴って減少します
・季節…空気が乾燥しやすい秋から冬に起こりやすい。夏季でもクーラーを使い過ぎると起こしやすくなる
・生活習慣…体の洗いすぎや、冷暖房のきかせすぎなど
・疾患・治療…アトピー性皮膚炎などの乾燥を伴う皮膚疾患、糖尿病などの内臓疾患、血液透析や一部の抗がん剤治療など

日常生活で気をつけること
★入浴時のポイント
・熱いお湯や長風呂は避けましょう
・ゴシゴシ洗ったりして、皮脂を落としすぎないようにしましょう
・石鹸やシャンプーの成分が残らないよう、よく洗い流しましょう
★刺激物は控えめに
・アルコールや香辛料などの刺激物をとると体が温まり、かゆみがひどくなります
★保湿剤を使いましょう
・手を清潔にして保湿剤を取り、手のひらでやさしく丁寧に、すりこみ過ぎないようにして塗ります。保湿剤は朝と夜の2回は塗りましょう。特にお風呂上りが効果的です
★肌着は刺激の少ないものを
・皮膚を刺激するとかゆみがひどくなります。肌着など直接皮膚にふれる衣類は、チクチクしない刺激の少ないものにしましょう
★掻かないことが大切
・掻くと赤みのある湿疹になったりします。できるだけ掻かないようにしましょう。また、爪は短く切っておきましょう

No.0042 みずぼうそう(水痘)とは?(2021.05)

みずぼうそう(水痘)とは?
 
梅雨のジトジトした時期になると、子どもの病気(おたふくかぜ・手足口病・みずぼうそう)も増えてくるように思います。そして今回は、その中の『みずぼうそう』についてお話しします。
 
■みずぼうそうとは?
水をともなった赤い発疹が、頭の中、口の中、腹部や陰部など全身に出ます。発疹は2~3日でピークとなり、その後乾いて黒いかさぶたになります。平均して1週間くらいでよくなりますが、時には熱がでることもあります。
 
■治療は?
かゆみ止めの塗り薬や飲み薬が処方され、時には、抗生剤入りの軟膏や飲み薬が出るときもあります。熱があるときは、先生と相談してください。
 
■こんな時は再度診察をうけてください
・発疹が赤く腫れて化膿したとき
・ぼんやり、ぐったり、元気がないとき
・4日以上熱が続くとき
 
■お家で気をつけること
・かゆいので、ひっかいて傷がつかないよう、爪は短くしておきましょう。赤ちゃんならミトンをするのもいいでしょう。
・お風呂は、シャワー浴でさっと汗を流しておくほうが、かゆみも少なく、化膿することも少ないです。
・食べ物は、特に食べてはいけないものはありませんが、口の中にできると痛いので、しみるもの(辛いもの、すっぱいもの)は嫌がるかもしれません。
 
■保育園・学校は?
すべてのブツブツがかさぶたになるまで保育園・学校に行けません。いつから登園・登校して良いかは、かかりつけ医に相談してくださいね。

No.0041 新型コロナ(その12)(2021.03)

新しい生活様式
「新しい生活様式」
新型コロナ(その12)
 新しい生活様式
 
 時候のあいさつに新型コロナ感染症の話をするのが日常になり、感染拡大を防ぐために飛沫感染や接触感染、さらには近距離での会話への対策を長期にわたり、これまで以上に定着維持させないといけなくなりました。
 それを「新しい生活様式」といいます
 
 冬場の換気について今回は少しアドバイスさせてくださいね。
2方向の窓を開け、数分程度の換気を1時間に2回程度行うことが有効とされています。窓を開けた場合は、室温が下がらないよう18℃を目安に、暖房器具を使用しながら換気してください。暖房器具近くの窓を開けると入ってくる冷気が暖められるので、室温の低下を防ぐことができます。人がいない部屋の窓を開け、廊下を経由して少し暖まった状態の新鮮な空気を、人のいる部屋に取り入れる換気方法もあります。
 2003年7月以降に着工された住宅には「常時換気設備(24時間換気システム)」が設置されています。常に稼働させましょう。また、定期的にフィルターの掃除を行い、強弱スイッチがある場合は強運転にして換気量を増やしましょう。「常時換気設備」が設置されていない場合でも、台所や洗面所などの換気扇を常時運転することで最小限の換気量は確保できます。
 冬は、インフルエンザや発熱、咳をともなう感染症が流行しやすくなります。こうした感染症と、新型コロナ感染症の症状は非常に似ています。二つ同時に感染する場合もあります。「筋肉痛があるからコロナではない」などの自己判断をせず、かかりつけ医など身近な医療機関に電話で相談してくださいね。

No.0040 新型コロナ(その11)(2021.02)

新型コロナ(その)11
もしかしたらコロナ?
      …の時は
 
 コロナ感染が疑われた場合、検査結果が出るまでは気を付けて過ごさなければなりません。本人は外出をせず、同居されている方も熱を測るなど健康観察をして外出を避けます。特に咳や発熱などの症状があるときは、職場などにも行かないようにしましょう。
 保健所等より指示があった場合は、そちらの指示を優先してください。
①部屋を分けましょう
・出来るだけ個室にする。食事や寝るときも別室とする。
・子どもがいる方などで部屋を分けられない場合には、少なくとも2メートルの距離を保ち、寝るときは頭の位置が互い違いになるようにする。
②家族の世話は、できるだけ限られた方でしましょう
・持病のある方や妊婦の方などが世話をするのは避ける。
③マスクをつけましょう
・使用したマスクは他の部屋に持ち出さない。マスクの表面には触れないようにゴムをつまんで外し、袋に入れ密封する。
・マスクを外した後は、必ず石鹸で手を洗う。
④こまめに手を洗いましょう
・こまめに石鹸で手を洗う。あれば、アルコール消毒をする。
・洗っていない手で目や鼻、口などを触らない。
⑤換気をしましょう
・部屋は定期的に換気する。他の部屋も窓を開け、換気をして風の流れを作る。
⑥手で触れる共有部分を消毒しましょう
・物に付着したウイルスはしばらく生存します。ドアの取っ手やノブ、ベッド柵などは、薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、水拭きする。
・トイレや洗面所は通常の家庭用洗剤でこまめに掃除、消毒する。
・タオル、衣類、食器、箸、スプーンなどは通常の洗濯や洗浄で構いませんが、使い捨ての食器や箸を使用するのも良いでしょう。
⑦ゴミは密閉して捨てましょう
・鼻をかんだティッシュは直ぐにビニール袋に入れ、室外に出すときは密閉して捨てる。その後は直ちに手を石鹸で洗いましょう。

No.0039 「フレイル」ってなに?(2021.01)

「フレイル」ってなに?

 コロナ禍で家に引きこもるようになり1年が経ちました。その間に体力、筋肉、精神力など、心身の活力が低下した方が診療所にも
来られるようになりました。
・歩く速さが遅くなった
・握力が弱くなった
・疲れやすい・活動量が減った
・体重が減った
など、一つでも当てはまったら『フレイル』と呼ばれる状態です。早期に対応をしましょう。
 
 フレイル予防は、栄養…しっかり食べる、運動…しっかり動く、現在は難しいですが、社会参加…外出や交流を楽しむことです。
 今回は、食事からのフレイル予防について書いていきます。

食べ方のヒント
・まずは、おかず(特に蛋白質のもの)から食べる
・一度に摂取する量が減ったら、数回に分けて食べる
・食事を楽しむ。食器・盛り付け方・雰囲気で変化を楽しむ
・間食を取り入れる。食事で不足しがちな栄養素を補充する
 
料理例
・野菜の煮物(大根や南瓜、白菜など)に肉やちくわ、油揚げなどを入れる
・ご飯に、ちりめんや卵をかける
・お浸しには、ツナやちりめんを加える
・トーストもいいけど、サンドイッチやピザトーストのように具材と一緒に食べる
・間食に牛乳、卵で作ったプリンやヨーグルトを足す
 
 低栄養になると感染症や病気にかかりやすくなり、骨や筋力の低下、認知機能の低下、脱水症などのリスクが高まります。
 さあ、「もう年だから…」と考えず、「自分の身体はまだ変えられるんだ!まだ間に合う!」と前向きに考えて生活を送りましょう。

No.0038 新型コロナ(その9)(2020.12)

おせち料理は最強です!!
 
 おせち料理は、縁起が良いだけでなく山の幸や海の幸が使われており、さまざまな栄養素が含まれていると共に、バランスの良さも抜群です。代表的な黒豆にはイソフラボンやポリフェノール、田作りはカルシウム。栗きんとんやたたきごぼう、紅白なます、昆布巻きなど食物繊維が豊富な食材も使われています。
 以前、食物繊維は、栄養にならない不要なものと考えられていました。しかし、現在は炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素に加え、第6の栄養素として注目されています。食物繊維には、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維があります。
不溶性食物繊維の主な働きは、
①腸で水分を吸収し、便の量を増やしたり、やわらかくして便秘を予防
②便が大腸粘膜を刺激する時間が短くなり大腸癌の予防
③尿中へのナトリウムの排泄を促し、高血圧を予防
などがあり、昆布やわかめ、こんにゃく、果物、里芋、大麦(押し麦)などに多く含まれます。
 このように、とても大切な働きをしてくれる食物繊維ですが、残念ながら日本人の食生活の変化にともなって、年々食べる量が減ってきています。日本人の1日の食物繊維の食事摂取基準は、18才以上の男性20g以上、女性18g以上となっています。さつまいも(中サイズ)1本で140gの大きさで、食物繊維約3.2gにしかなりません。美味しい焼き芋を食べたといってもまだまだ足りませんね。
 生活習慣病を予防するためにも、食物繊維を多く含む食品を積極的にとりましょう。ただし、消化管の術後や腸閉塞をおこしているとき、クローン病や潰瘍性大腸炎などの場合には制限が必要になります。主治医の先生に相談してくださいね。
 皆さんから「見てますよ~」と声をかけてくださることを張り合いに、来年も頑張って書いていきますね。

No.0037 新型コロナ(その9)(2020.11)

新聞紙をパタパタ
新型コロナ(その9)
新聞を使って足指体操をしてみましょう
 
 コロナ禍のなか、気軽に外出することも、友達と楽しくランチや、雑談をすることも難しくなり、診療所でも、『足腰が弱った』という会話をよく聞くようになりました。下肢の筋力は、歩いたり日常生活を行う上で欠かせません。動かす機会の多い上肢と違い、下肢は意識しないと、なかなか鍛えることができません。例えば、自分でトイレまで歩いて行き、便座に座って座位を保つのも下肢の筋力が必要とされています。「立つ」「歩く」と同時に、「踏ん張る」「バランスをとる」などの行為のための筋力が衰えないように、体を動かしていくことが大切です。
 5本の足指がしっかり機能しているかどうかでも、生活動作は変わってきます。例えば、足指は前に進むために地面を蹴るという大事な役目を果たしています。足指が弱るとバランスを崩して転倒することもあります。「歩くこと」は生活範囲を広げる大切な人間の基本動作です。
 私事ですが、タンスに小指をぶつけ、真っ黒な指にしてしまっただけで、歩きにくくて小指1本でも負傷すると、不便だなと身をもって感じた1か月間でした。
 足指体操を行うことで、楽しみながら下肢の筋力を維持してくださいね。

No.0036 新型コロナ(その8)(2020.10)

新型コロナ(その8)
コロナ禍中のコミュニケーション【後半】
 
 さて、先月号で質問したタイプについての分析です。
A)何も言わない(非主張タイプ)
 怒りという感情は込み上げているものの、主張は行わず内に秘めてしまいます。とかく空気を読む日本人においては、このタイプが多いかもしれません。
『ドラえもんでいうところの、のび太君』
 
B)割り込むなよ!と大きめの声、強い口調で不快感をぶつける(攻撃タイプ)
 文字通り攻撃を行い、不正をした相手に勝利しようとします。話が早いため、事態の解決を考えるなら、ある意味効率的でしょう。しかし、相手の気持ちを無視しているとも言い換えられます。
『ドラえもんでいうところの、ジャイアン』
 
C)みんな並んでいるんですよ、後ろに並んでくださいね、と冷静に伝える(攻撃タイプと非主張タイプの黄金比)
 不正を指摘し、意見を主張しつつも気持ちを高ぶらせることなく冷静に対処できる人は、まさにバランス型といえます。意思を伝えつつも相手の尊厳を損ないません。怒りよりも歩み寄りの精神が大きいといえるでしょう。
『ドラえもんでいうところの、しずかちゃん』
 
 この分析でもわかるように、コロナ禍だけでなく自分のタイプ以外も理解しておくことが、理想的なコミュニケーションに有効です。

No.0035 新型コロナ(その7)(2020.09)

新型コロナ(その7
コロナ禍中のコミュニケーション【前半】
 
 日常生活の中で、『自分の気持ちや考えを相手に伝える』ということを普段はあまり意識しないで行っていると思います。伝える力にこだわれば、主張がすぎる人間に映るでしょう。かといって、聞き手に回ってばかりでは、伝えるべきことが伝えられずチャンスを逃してしまいます。特にコロナ禍での会話は以前にもまして難しくなっていると思いませんか。気持ちが分かり合えるためにも、今まで以上に相手への気遣いが重要になってきます。
コミュニケーションにおいては、大まかに表現すると伝える力と、聞く力の2種類がポイントになります。この基礎をいかに研ぎ澄ませられるかが、とても大切です。例えば、こんな場面に遭遇したら、どんな気持ちになり、それをどう表現するでしょうか?
 あなたは、スーパーのレジに並んでいます、とても急いでいるのですが、レジは混んでいます。すると、あなたの前に知らない人がスーっと割り込んできました。おそらく、ほとんどの人が怒りや腹立ちを感じるでしょうが、その気持ちの表現の仕方は、大きく3つに分けることができるのですが。
 
 あなたはどのタイプですか?
A)何も言わない(自分が我慢すればいいだけだから…)
B)は?割り込むなよ外と大きめの声、強い口調で不快感をぶつける。
C)みんな並んでいるんですよ、後ろに並んでくださいね、と冷静に伝える。
 
 さて、あなたはどのタイプになりましたか?長くなったので今日はこのくらいにして次回のお便りで分析を書きますね。
ヒント!ドラえもん
 

No.0034 新型コロナ(その6)(2020.08)

新型コロナ(その6)
 
 緊急事態宣言が解除され、国が示した『新しい生活様式』のもと、感染防止をしながら行動範囲を広げていこうと思っていたところ、7月に入ってから感染の勢いが止まらず、ついに1、000人の大台に乗ってしまいました。まだまだ増えてきそうですね。予防しながら生活するのに不安を感じています。

 夏本番になり、『対策しながら熱中症を予防する』ポイントを簡単にまとめます。
①暑さを避けましょう
・エアコン等を利用し、部屋の温度を調整する。
・暑い日や暑い時間帯は無理をしない。急に暑くなった日は特に注意する。
②適宜マスクをはずしましょう
・自宅や自家用車など他人のいないときは、マスクをはずす。
・屋外で人と十分な距離(2メートル以上)がある場合は、マスクをはずす。
・マスク装着中は、負荷のかかる作業や運動を避け、他人との距離を十分にとった上で、適宜マスクをはずして休憩をする。
③こまめに水分補給をしましょう
・1日あたり1.2リットルから2リットルを目標に、のどが渇く前に水分補給。
・大量に汗をかいたときは塩分も忘れずに。
④日頃から健康管理をしましょう
・日頃から体温測定、健康チェックをして、体調が悪いと感じたときは無理をせず自宅で静養しましょう。
 
高齢者、子供は熱中症になりやすいので十分に注意しましょう。3密(密集、密接、密閉)を避けつつ、周囲の方も見守り、声かけもお願いします。

No.0033 新型コロナ(その5)(2020.07)

新型コロナ(その5)
 
 新型コロナウイルス感染症の流行とともに、コロナ禍、オンライン、スカイプ、ソーシャルディスタンス、フェイスシールド、ナッジなど、聞きなれない言葉がテレビや新聞から流れてくるようになりました。
 「ナッジって何?」って思いませんか。ナッジとは、直訳すると『注意を引くために、肘でそっとつつく行為のこと』
『人々が強制によってではなく、自発的に、より望ましい行動を選択するよう促す仕掛けや手法を目指す、行動経済学や行動科学から生まれた言葉』ですと、辞書には書いてあります。私たちが目にするものとして、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、スーパーなどのレジに並ぶ人が、自然にソーシャルディスタンスを取れるよう、床に足跡マークや、線が描かれているのがまさに《それ》です。
 ナッジ理論の提唱をしたのは米シカゴ大のリチャード・セイラー教授です。彼が2017年にノーベル経済学賞を受賞したことで一躍有名になりました。この理論の実用例として世界的に最もよく知られているのは、空港の男子トイレ。小便器の排水溝近くに小さなハエの絵を描いたところ、利用者はついそのハエを目標にして用を足すため、小便器の汚
れが8割減ったといわれています。張り紙で注意喚起するなどして、しつこく言うよりも、ナッジのほうがずっと効果的なのかもしれません。個人の選択肢を残しつつ、実は誘導するナッジ理論は、政策などにも応用され、新型コロナ禍でますます注目されています。
 外出時などに注意して探してみてください。いろいろなところに、自発的に選択する《ナッジ》が隠れているかもしれません。

No.0032 新型コロナ(その4)(2020.06)

身のまわりを清潔にしましょう。
新型コロナ(その4)
アルコール消毒液が無ければ石鹸や漂白剤で
 
 年明け『新型コロナウイルス』の声を聞き始めて、早くも6ヶ月が過ぎようとしています。マスク不足もだんだんと解消し、価格も少しずつ安定してきているようです。しかし、いまだアルコール消毒液は手に入りにくく、店頭にあったとしても高額だったりします。
 そもそも、なぜアルコール消毒液を使用するのでしょうか。理由は、ウイルスの表面がいわゆる脂肪分、油で囲まれているからだと考えられており、表面の油を溶かせば、ウイルスは不活化して死んでしまいます。
 アルコール消毒液が手に入らない場合、石鹸やハンドソープには油を溶かす作用があるので、石鹸やハンドソープをよく泡立てて30~45秒間程度しっかり洗うとウイルスは死んでしまいます。石鹸やハンドソープで、10秒もみ洗い後流水で15秒すすいだ場合、ウイルス残量は1回洗いで数十個、2回洗いで数個、手洗い無しの場合は約100万個残存するとされていますので、十分に効果があると考えられます。
 他人の咳やくしゃみのしぶき、排泄物、汚染された物を触ったなど、感染の危険性が高いと思われる場合は、アルコール消毒液の代わりにキッチンハイターなどを薄め、濃度を0・05%(水1Lに商品付属のキャップ1杯)にした次亜塩素酸ナトリウムを手作りし、使用しても効果があります。アルコール消毒液が手に入らないときは、必要に応じて自分で手作りして対策をしましょう。ただ、使用後はすごく手が荒れると思いますので、もう一度手洗いしてからハンドクリームなどをつけ、手指を保護することも忘れないでくださいね。

No.0031 新型コロナ(その3)(2020.05)

新型コロナ(その3)

 新型コロナウイルスが蔓延し、「コロナ疲れ」で、そろそろ中だるみしてくる頃かもしれません。しかし、新型コロナウイルスとの戦いは新たな段階に入っています。
 私たちのより賢い判断と、行動が求められる時です。

■まずは手洗い、咳エチケット
 外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗いましょう。
■「3密」を避けてください
 部屋をこまめに換気しましょう。また、換気が悪く、人が密に集まって過ごすような「空間に集団で集まる」ことを避けてください。
■運動しよう
 「動かない」状態が続くことにより、心身の機能が低下して「動けなくなる」ことが懸念されます。日頃から運動をしましょう。
・人ごみを避けて、一人や限られた人数で散歩する。
・家の中や庭などでできる運動を行う。
・家事や農作業などで身体を動かす。
・座っている時間を減らし、足踏みをするなど身体を動かしましょう。
■食生活・口腔ケアをしっかりと
・免疫力を低下させないために、3食欠かさずバランスよく食べて規制正しい生活を心がけましょう。
・毎食後、寝る前に歯磨きをする。
・しっかり噛んで食べる、一人で歌の練習をする、早口言葉を言うなど、お口周りの筋肉を保ちましょう。
■人との交流を
・家族や友人と電話で話す。
・買い物や移動など、困った時に助けを呼べる相手を考えておきましょう。
・孤独を防ぎ、心身の健康を保つために、人との交流や助け合いがこんな時であるからこそ大切ですね。
 
*自身がうつったつもりで、他人にうつさないための行動をしましょう。まず自宅にいることです。

No.0030 新型コロナ(その2)(2020.04)

新型コロナ(その2)
 
 令和2年3月25日0時現在、感染した方(検査陽性の方)は、全国で1,700名、兵庫県では検査陽性者118名、死亡された方6名、入院中の方97名(内重症6名)、退院された方15名、というのが現実の数字です。現在、西播地域ではまだ新型コロナ感染は出ていません。
 新型コロナウイルスでよりはっきりしてきたことは、専門家会議からの提言として、コロナウイルス感染症は①空気のよどんだ閉鎖空間に、②多くの人が集まり、③咳、くしゃみ、会話などで飛沫が発生しやすいという環境で生じやすい、ということでした。
 これから予防策は
①普段から換気に気をつける。屋外は心配ありませんが、室内にいる場合は1時間に1回は窓を開けて、空気を入れ換える。
②人混みを避ける。満員電車や、バスは避け、空いている時間帯に利用するなど。
③体調が良くないときは、マスクをして、唾などが周囲に飛ばないように気をつける。
ということになります。
 そして、コロナウイルスは接触感染でもうつります。ドアノブ、テーブルの表面、つり革などを介しても伝染する可能性があります。皆さんの周囲に、コロナウイルス感染症の方が発生したり、濃厚接触者が発生すれば、周辺の消毒にも気を配らなければなりません。アルコールが無ければ、薄めた漂白剤で拭うだけでも十分効果があります。
 一時のコロナ騒ぎは収まってきましたが、これからも、自分自身の健康だけで無く、周囲の環境にも気をつけてください。
 気長に、そして慢心すること無く、続けていきましょう。

No.0029 新型コロナ(その1)(2020.03)

新型コロナ(その1)
 
 中国からやってきたと言われる、いわゆる『武漢熱』の正体が、だんだんと明らかになりました。それは「新型コロナウイルス」です。40数年前、小児科の教科書にコロナウイルスというものが載っていました。おもに小児に感染する風邪ウイルスで、当時は重症化するなどとは言われていませんでした。それ以外に、はしかウイルスや、風しん、日本脳炎、ポリオ、おたふく風邪など、現在では殆どワクチン化されています。時代が変わり、過去の脇役が、姿を変えてよみがえってきたのです。
 残念ながら、私たちの多くは、新型コロナウイルスの免疫がありません。そして、ワクチン、治療薬もありません。同じようなことが、1963年からしばらく全世界で起こったことがあります。それが、ホンコン風邪(A香港型インフルエンザ)です。当時は抗インフルエンザ薬は無く、日本人の20%以上が罹ったとも言われています。
現在の私たちは、清潔な環境を持っています。そして、コロナウイルスが、どのような経路でうつっていくのかも分かってきました。連日、マスコミが、不安をあおっていますが、かつて日本で5人に1人以上にうつった伝染病はありません。気をつけることは

①手洗い、うがいを頻繁にする
②万一自分が罹っていても他人にうつさないようマスクをする(一般のマスクは感染予防のためのものではありませ
ん)
③人混みみを避ける
④睡眠、栄養を十分にとる
 
 最後にコロナウイルス感染症の潜伏期(症状はないが、ウイルスを持ち運ぶ)は2日から2週間あります。
 もし、37.5℃以上の発熱が続き、過去2週間に、コロナ感染症がうつりそうな場所に行った方は、すぐに医療機関は受診せず(多くの人は免疫を持っていません。うつりやすいです)まずは、たつの健康福祉事務所に相談してください。

No.0028 物忘れと認知症(2020.02)

知っておきたいノロウイルス
 
 例年11月頃から、ノロウイルスを原因とする急性胃腸炎に伴う嘔吐や下痢症が流行します。食べ物による場合と食べ物(食中毒)以外のケースがあります。ノロウイルスに有効な特効薬はありません。また、一度ウイルスに感染しても免疫の獲得が低く、何度でも感染することがあります。
 潜伏期間は12~48時間で、主な症状は吐き気・嘔吐・下痢・腹痛で発熱は軽微です。通常、これらの症状が1~2日続いた後治癒し、後遺症も残しません。ノロウイルスの場合は特に、嘔吐が突然強烈に起きるのが特徴です。したがって、嘔吐の際には容器に吐く、あるいはトイレに行く時間もなく、室内や身の回りを汚してしまうことがあります。
 いずれにしてもノロウイルスの特徴をよく理解したうえで、適切な予防策や対応策を行うことが必要です。特に、乳幼児や高齢者のいるご家庭では、ご家族全員で予防・対策をきちんと行うことが重要になります。
 
ノロウイルスの予防のポイント
症状のある人は無理して登校や出勤をしない。
非感染者との接触は避けましょう。
感染者や可能性のある人は調理に従事しない。
こまめに手洗いしましょう。
ドアノブや便器、水道の蛇口、手すりなど手が触れる場所は消毒しましょう。
加熱が必要な食品は中心部まで十分に加熱処理しましょう。
感染者の糞便、嘔吐物は使い捨てのエプロンや手袋、マスクを着用し、速やかに適切に処理しましょう。
調理器具も消毒しましょう。
 
 食中毒・感染予防のポイントは、「持ち込まない、持ち込ませない」「うつさない」「殺して増やさない、つけない」です。注意して過ごしましょう。

No.0027 栄養豊富な「海のミルク」牡蠣(2020.01)

栄養豊富な「海のミルク」牡蠣
 
 昨年の10月号で「柿」のお話を書かせていただきましたが、こちらの「牡蠣」もおいしい季節を迎えています。
 栄養豊富で「海のミルク」と呼ばれる牡蠣には鉄や亜鉛などのミネラル、ビタミンAなど、身体を元気にする栄養素が豊富に含まれており、古くから盛んに食べられてきました。日本では室町時代に養殖が始まりました。現在、日本で食べられている牡蠣のほとんどは養殖で、出荷の中心は冬になります。貝のおいしさにはグリコーゲンという物質が関係していると言われています。牡蠣も例外ではなく冬から春にかけてグリコーゲンが最も多くなり、味がよくなります。牡蠣は1日に約200ℓもの海水を吸い込み、その中のプランクトンを食べて成長します。プランクトンは主に川から流れてきた栄養分を食べますが、これらの栄養分は川の上流にある森の落ち葉などが腐ってできたものです。つまり、牡蠣のエサは川の上流の森が源になるようです。森の大切さを改めて感じさせられます。
 牡蠣には「加熱用」と「生食用」の2種類がありますが、違いをご存じですか。その違いは鮮度ではなく、牡蠣の育つ海域が関係しています。「加熱用」の牡蠣の多くは沿岸で育つのでエサが多く、プックリとしておいしいのですが、菌やウイルスを取り込むリスクがあります。一方「生食用」は沖合で育てるため有害なものを取り込むリスクは少ないのですが、エサが少なく水分が多くなります。
 今、旬を迎えている牡蠣。それぞれの特徴を生かした調理法で生牡蠣、牡蠣鍋、牡蠣フライと味の違いを楽しんでくださいね。

No.0026 物忘れと認知症(2019.12)

物忘れと認知症
 
 「年忘れ」の言葉を耳にするようになりました。「年忘れ」の意味はその年にあった苦労を忘れること。また、そのために催す宴、忘年会をさすそうです。嫌なことを忘れるのはありがたいことですが、そうでない場合もあります。
 年をとれば誰しも体力とともに記憶力の衰えが出てきます。「人の名前を思い出せない」「物をどこに置いたか思い出せない」などよくあることです。物忘れは、認知症の初期の症状であることが多いのですが、健康な老化でも起こります。
●健康な物忘れと病的な物忘れ
 記憶は遠隔記憶(若い頃に覚えた古い記憶)と近時記憶(最近覚えた新しい記憶)に分けられます。高齢になると昔のことはよく覚えていても、新しいことが覚えにくくなります。この時、忘れた出来事の一部であったり、ヒントがあれば思い出せる場合(健康な物忘れ)は大丈夫です。一方、出来事全部を忘れていたり、ヒントがあっても思い出せない場合(病的な物忘れ)は、注意が必要です。
●アルツハイマー型認知症と他のタイプの認知症
 認知症は老化と関係が深い病気ですが、老化だけでなく、原因となる物質が脳内に蓄積して起こります。認知症の原因疾患の6割がアルツハイマー型と多く、病的物忘れが主症状となる疾患です。その他の症状として、気分が憂うつになる、実在しないものが見える(幻視)、思考の乱れ(妄想)、性格の変化等があり、認知症のタイプによりこれらの症状が物忘れより早く現れることもあります。
●早期診断が重要
 最近では、車の運転を続けても大丈夫かと、心配されるご家族も増えています。認知症かもしれないと思ったり、運転が心配になったときは、気軽にかかりつけ医に相談されるのも良いですね。
認知症は早期に診断して治療を開始することにより、病気の進行を遅れさせたり、症状をやわらげたりすることができます。
 「見てますよ~」と声をかけていただくことを張り合いに、来年も難しくない話ができたらいいなぁ~と思っております。一年間、つたない話にお付き合いいただき、ありがとうございました。
 よいお年をお迎えください。

No.0025 キノコを食べて健康に(2019.11)

低カロリーなのに栄養満点
キノコを食べて健康に
 
 古代ローマでは『神々の食べ物』といわれ、古代エジプトでは『不治の植物』と信じられ、中国では秦の始皇帝が『不老不死の薬』として、それぞれ親しまれてきた「キノコ」。日本では縄文時代から食べられてきたそうです。温暖で多湿な日本は世界でも有数のキノコの産地で、約5、000種類ものキノコが生育しています。
 日本人が大好きなキノコは、低カロリーでありながら食物繊維やビタミン類など多くの栄養素を含んでいます。「好きなキノコ!ランキング!」で常に上位に入るキノコの栄養成分や特徴について簡単に紹介します。
 
●エノキタケ
・高血圧予防に効果のあるビタミンB群を含む。
・ビタミンB1はキノコの中でもトップクラスの含有量で、味にクセがなくどんな食材とも合いやすいキノコです。
●シメジ
・脂肪の代謝アップに役立つビタミンB2、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、便秘解消に役立つ食物繊維を多く含みます。
・味も香りもよく、シャキッとした歯触りも人気です。
●シイタケ
・特殊成分の宝庫と言われ、抗がん物質から旨み成分まで多くの機能性成分を含みます。
・干しシイタケは骨や歯を丈夫にするビタミンDが生の8倍以上!
●マイタケ
・見つけるとうれしくて舞ってしまうほど味がいいことから命名。
・免疫力を高める注目成分β‐グルカンを含んでいます。
●ナメコ
・ぬめりのもととなる水溶性食物繊維が粘膜を保護。・ぬめりを洗い流さないよう工夫しましょう。
●マツタケ
・香り成分が食欲増進、消化酵素の分泌を促進。
・秋の味覚の王様です。
 
※天然の食用キノコは毒の有無にかかわらず食べ過ぎや調理方法によっては食中毒になることがあります。ご注意ください。

No.0024 丈夫な骨づくりをしましょう(2019.10)

秋の味覚「柿」は天然のビタミンC剤 !

 運動会の秋、読書の秋、食欲の秋…どれも素敵な響きですが、秋は野にも山にも自然の恵みが豊富になり、秋に旬を迎える食べ物は一年中でもっとも多くなります。中でも柿は秋を代表する果物です。
 柿は甘柿と渋柿に大別され、甘柿は「富有」「次郎」「西村早生」など、「渋柿は」「利根」「平核無」「西条」などが代表的です。甘柿は成熟するとタンニン細胞が硬化して不溶解となるので、タンニンの渋を感じなくなります。渋柿は完熟しても渋味が残るため干し柿にするか、お湯や焼酎に浸けて渋抜きをすると甘くておいしい柿になります。
 柿は昔から「柿が赤くなれば医者は青くなる」といわれるほど、栄養価の高い果物です。柿にはミカンの約2倍のビタミンCが含まれ、半個で1日の必要量を補えるほどで、果物には少ないカロチンも豊富に含有しています。体調を崩しやすい秋から冬の季節の変わり目で、風邪などの感染症予防には欠かせない果物です。また、柿には解毒作用のあるシステイン、利尿作用のあるカリウムが含まれていて、さらにタンニンの働きによって酔いざましに効果的といわれています。生のままでもいいですし、大根と合わせた柿なますなどの酢の物を口にしながらお酒を飲むと、翌朝の目覚めがよくなるようです。
 ここまで良いことばかりを書いてきましたが、残念なところもあります。前記のように栄養価が高い分、食べ過ぎるとすぐに高カロリーになってしまいます。糖尿病の方など、病状によって禁止される場合もあるかもしれません。不安のある方は、主治医の先生に相談されてからにしてくださいね。

No.0023 丈夫な骨づくりをしましょう(2019.09)

10月8日は「骨と関節の日」
丈夫な骨づくりをしましょう
 
 「十」と「八」を合わせると、骨(ホネ)の「ホ」の字になることにちなんで、10月8日は「骨と関節の日」。丈夫な骨を作る食事を心がけ、骨粗鬆症を予防しましょう。
 骨というと、すぐにカルシウムを思い浮かべますが、骨も筋肉と同様、体を形づくるものなので、タンパク質も欠かせません。タンパク質が不足すると、建物でいえば鉄筋部分にあたるコラーゲン繊維ができず、しっかりとした骨組みになりません。コラーゲン繊維でできた鉄筋部分をさらに強固なものにするために、カルシウムなどのミネラル類を補充する必要があります。しかも、体内でつくることができないため毎日の食事で摂取しなければなりません。
 では、骨を丈夫にして骨密度を上げるためには、何を食べればいいのでしょうか。カルシウム、マグネシウム、ビタミンDを摂取することは必須です。
 牛乳や小魚は、タンパク質とカルシウムの両方を含んでいるので、骨づくりには最適な食材です。魚介類、海藻類、緑黄色野菜、種実類には、カルシウムとマグネシウムが豊富に含まれていますから、これらも摂取したい食材です。切り干し大根や桜えびなど、天日干ししたものには、ビタミンDが多く含まれています。
 
 それではここで、ビタミンやカルシウムを補える手軽な方法を1つ紹介します。それは自分好みの「ふりかけ」づくりです。「桜えび&じゃこ」「大根の葉&白ごま」などの”マイふりかけ”を、ご飯や野菜、豆腐、納豆などに積極的にふりかけて、必要な栄養素を無理なくプラスするのです。
 丈夫な骨を維持するために、骨粗鬆症にならないために、ぜひトライしてみてください。

No.0022 改正健康増進法が施行(2019.08)

7月より医療機関等の敷地内は原則禁煙に
改正健康増進法が施行

 2019年2月の閣議において、受動喫煙対策として今年7月1日から医療機関等に敷地内禁煙を義務付けることが決定しました。

■改正健康増進法における受動喫煙に関する規制
 2017年のWHOの調査によると、わが国の受動喫煙の規制状況は世界の中で最低ランクに位置しています。
 2020年の東京オリンピックなど、世界中から人が集まるイベントを控えていることからも、国は受動喫煙対策を進めており、望まない受動喫煙をなくすことを目指しています。具体的には、多くの人が利用する施設等について禁煙のルールを決め、義務違反に対しての都道府県知事の権限や、違反が改善されない場合の罰則なども規定されています。
 
■多数の利用者がいる施設における禁煙のルール
【2019年7月1日から】
 医療機関等(病院、診療所、薬局、介護老人保健施設、介護医療院など)・学校・児童福祉施設等・行政機関など、患者や子ども、利用者等が多く集まり、健康を損なう恐れが高いため敷地内禁煙
【2020年4月1日から】
 事務所・飲食店・運動施設など、多数の者が利用する施設など原則室内禁煙
(喫煙専用室内のみ喫煙可)
 
 違反者には指導・勧告・命令・罰則(過料)も適用されるようです。
 
 喫煙愛好家にとって耳が痛い話ばかりしてしまいました。今の時代、ホタル族さえ許してもらえないようです。せめて本物のホタルを見て、愛でて、涼んでくださいね。
 
 まだまだ暑い日が続いています。暑さ対策を万全に、この夏を乗り切ってください!

No.0021 日本全国こんなにあります!(2019.06)

日本全国こんなにあります!
 
 ジメジメ、ムシムシ。暑い時期になりました。今回は難しい話をやめて、クイズにしましょう。
 私の中学の修学旅行時、担任から新幹線の乗り方と「らっか?らっきゃで!」の方言を使うな!と指導されました。他の地域の人には「楽か?」と聞こえ、「痛いのらくに、楽なわけがない!」と、怒られるって教えてもらいました。皆さんも、そんな経験をされたことがありますか。
 
 では、問題です。この方言の意味はなんでしょう。
第1問
 ・こわい こえー
 ・せつない せつねー
 ・えらい
 ・ほっこりした
 ・せこい せこー
 ・きつか なえた
 ・しんどい
答えは、「疲労感がある」「だるい」です。
 
第2問
 ・けね よごさね
 ・なんちょね
 ・さすけね
 ・だいじ
 ・じゃまない
 ・だんない
 ・せわーねー
 ・べっちょない
これが「らっきゃで」になります。
答えは、「大丈夫です」。
 
第3問
 ・やむ やめる
 ・もぞぐったい
 ・はしる
 ・おばる
 ・わるい
 ・にがる
 ・ほめく
 ・ひでる
これが一番難しいですね。
答えは、「痛い」「痛む」になります。
 
 簡単でしたか?難しかったですか?皆さんも旅行などで各地に行かれた際には、現地の言葉を覚えて使ってみてください

No.0020 頭を打った時は…(2019.05)

頭を打った時は…
 
 暖かくなり、動きやすくなって運動や畑仕事、レジャーにと、活動の幅がひろがります。そんな時、意図せずに頭をぶつけてしまうことがあります。その場合、どんなことに注意すればよいでしょうか。
 
こんなときには、すぐ病院へ!
・意識が薄れてきたり、なくなったりする。
・言っている言葉が聞き取りにくい。又は、同じことを繰り返し話す。
・普段喜ぶものに興味、関心がなく、どこかぼんやりしている。
・頭痛が治らない。又は、だんだんひどくなってくる。
・何回もおう吐したり、ひきつけを起こす。
・大きないびきをかきつづけ、声をかけても起きない。
・失禁がみられるとき。
・手や足がしびれたり、動きにくい。
 
自宅で注意すること
 傷はなくても、脳にダメージを受けている場合がありますので、外傷後6~24時間は見守り、注意してあげてください。
・打った日は、入浴しない方がよいでしょう。
・運動はひかえ、できれば2~3日は安静にしてください。
・まれですが、意識がないのを”寝ている!”と間違えることがあります。寝返りをしたり、ちょっとつついて反応するか見てあげてください。
・高齢者の場合、今は大丈夫でも1ヵ月~半年後に頭部内に出血を起こす場合もあり得るので、急に認知症のような症状がある場合には注意が必要です。
 
 異常を感じた方は、ためらわず速やかに、かかりつけ医に相談するようにしてくださいね。

No.0019 それは過活動膀胱かもしれません(2019.04)

こんな症状ありませんか?
 それは過活動膀胱かもしれません
 
 最近テレビを見ていても、医療系番組などで尿漏れの番組を取り上げるようになりました。芸能人や有名人の方が他の病気を含めて公表してくださるおかげで、我々一般の者でも恥ずかしがらず、また自分だけではないと不安がらずに病院に行こうと思う《勇気》を与えてくれたことに医療従事者として、まず、感謝したいと思います。
 
過活動膀胱とは
主な症状として
 ①尿意切迫感
  急におしっこがしたくなり、漏れそうで我慢できない。
 ②頻尿
  トイレに行く回数が多い。
 ③夜間頻尿
  夜間寝ているときにおしっこで何度も起きる。
 ④切迫性尿失禁
  急にしたくなるだけでなく、トイレまで我慢できずに漏れてしまう。(いわゆる尿漏れ)
 
 原因はいろいろありますが、肥満・高血圧・脂質異常・耐糖能異常メタボリック症候群が直接、あるいは間接的にかかわっていることがわかってきました。
 
恥ずかしがらずに相談を
早期治療が大事です。
・体重を減らすと尿漏れが改善するという報告があります。
・膀胱や骨盤底筋を鍛える方法も併用します。
・男性では前立腺肥大症が原因の場合があり、検査は必要です。
 
 男性にしても女性にしても、泌尿器科を受診するのは恥ずかしいものです。まず、かかりつけ医に相談し、必要があれば専門機関を紹介してもらいましょう。

No.0018 成人用肺炎球菌ワクチンについて(2019.03)

成人用肺炎球菌ワクチンについて
 
 春の足音がだんだん近づいていますが、まだまだ寒い日もあり、油断できない天候ですね。風邪など引かずに過ごしておられますか?インフルエンザや花粉症等ありますので、気を付けましょう。
 
 高齢者だけでなく死因順位の上位に入ってくる「肺炎」。肺炎球菌性肺炎は、小児でも中耳炎・副鼻腔炎の起因になることもあるようです。成人肺炎では、25~40%を占め、特に高齢者では重症化が問題になっています。重症化と死亡のリスクを軽減させるのに、ワクチンの効果が期待されています。
 成人用としては、約90種類ある肺炎球菌の型の中から、頻度の高い23種類の型のワクチンが接種できるようになったので、肺炎リスクの高い高齢者においては肺炎予防効果と、医療費抑制効果が期待されています。
宍粟市でも市内に住所を有する対象年齢の方で、過去に市の助成を受けて成人用肺炎球菌ワクチンの接種を受けたことがない方は、ご自身が接種されたかもう一度調べていただき、今月末までの助成があるうちに、接種するようにしてください。
 (対象者以外の方は、全額自己負担となります。)
 
※ワクチンには、もちろん副作用(痛み・腫脹・発赤等)の可能性もあります。
ご自身も、家族の方や主治医の先生ともよく相談してくださいね。

No.0017 花粉症の季節(2019.02)

花粉症の季節
つらい鼻水、鼻づまり、くしゃみを乗り切る対策は?
 
例年、早ければ1月頃から春先にかけて、全国各地でスギやヒノキの花粉が飛散し、アレルギー症状が現れるのが花粉症で、今や国民病ともいわれるほど悩んでいる人が多い病気です。前年の猛暑などの気象条件が影響すると、花粉が増えるといわれています。

■日常生活の中で花粉を避けることがポイントです。
◎毎日心がけること
・花粉の飛散情報をチェック!
・規則正しい生活で、抵抗力を落とさないようにする。
◎外出するときは
・マスク、メガネ、帽子を忘れない!
・花粉が付きにくいツルツルとした生地の服を選ぶ。
・帰宅時に花粉を払い落とす。部屋の中に入れない。
・帰ったら、うがい、手洗い、洗顔し、花粉を洗い流す。
◎家で過ごすときは
・窓や玄関扉の開け閉めに注意!
・こまめな掃除や空気清浄器を利用する。
・シーズン中、洗濯物は室内干しにする。
・室内が乾燥しないよう湿度に気を付ける。
・ペットの毛に付いた花粉にも注意する。
 
花粉の飛散前からできる治療もあります。かかりつけ医に自身の症状や困っていること、抑えたい症状、ライフスタイルを相談して、より自身に適したお薬を処方してもらうようにしましょ

No.0016 日本人の睡眠(2018.12)

日本人の睡眠
 
 毎日規則正しい睡眠をとっていますか?
 睡眠は、人生の3分の1を占める必要不可欠な生活習慣です。20歳以上の日本人の1日の平均睡眠時間は、6時間未満が約4割。なかでも5時間を切る人の割合は過去最高となり、日本人の睡眠時間がますます短くなっています。調査では、6時間未満の人の半数近くが、週3回以上日中の眠気を感じています。また、糖尿病や高血圧、うつ病、アルツハイマー病、心臓病、記憶力・免疫力の低下、メタボリックシンドロームになりやすいなど、さまざまな健康被害を引き起こすリスクがあります。
 
 厚生労働省が「健康づくりのための睡眠指針」を出しています。
①良い睡眠で、からだもこころも健康に。
②適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
③良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
④睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
⑤年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
⑥良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
⑦若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ。
⑧勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
⑨熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
⑩眠くなってから寝床に入り、起きる時間は遅らせない。
⑪いつもと違う睡眠には、要注意。
⑫眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
  出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」
 
 睡眠の問題を早期に発見し、適切に対処することができれば、生活習慣病の発症や重症化の予防につながる可能性があります。働き者でとかく睡眠を犠牲にしがちな日本人。多くの人が睡眠に関心を持ち、働き方改革とともに睡眠改革も推進していきましょう!

No.0015 のどの痛みに注意(2018.11)

のどの痛みに注意
 
 だんだんと寒い季節が近づいてきていますが、風邪などでのどの痛みを感じていませんか?痛みがひどいと食事はもちろん、水分や唾液さえも飲み込むのに苦痛を感じます。
 そんな痛みを取る方法をいくつか紹介します。
 
①保湿をする
◆のどは常に水分でうるおしておくことが大切です。
 ・加湿器をもちいて、室内の湿度を50~60%を目安に調節しましょう。
 ・マスクをつける
 ・30~60分おきなど時間を決めて水分補給をし、のどの保湿に努めます。
 
②身体を温める
◆身体の免疫力を上げましょう。
 ・のどが痛いときはハチミツ入り紅茶などを飲んで身体を温める。
 
 体温が1度下がると免疫力は30%もダウンします。小児科で熱さましを多用しないのは、そのためといわれています。ハチミツや紅茶には殺菌作用があり、ビタミンやミネラルが多く含まれています。栄養も豊富で風邪を早く治すことができるでしょう。
 
③なにより、ゆっくり休むこと!!
◆風邪をひいたらゆっくり休んで体力を温存し、免疫力を上げることが大切です。いつもより1時間早く寝るようにするだけでも違ってきます。
 これからインフルエンザも流行する季節に入るため、のどの保湿を十分に心がけましょう。
 

No.0014 健康診断の結果は返ってきましたか?(2018.10)

健康診断の結果は
 返ってきましたか?
 
 町ぐるみ健診も終わり、職場での健康診断もすすみ、健診結果をもらい始める方もチラホラと見えるようになりました。健康診断に一喜一憂する自分を笑ってみたりします。皆さまの健康診断の結果はいかがでしたか。異常無しでしたか?病院受診の紹介状が付いていませんでしたか?今回はその中でも血圧高めと指摘された方、ぜひ高血圧の怖さを知ってください。
 健康診断や人間ドックで血圧が高めと指摘された経験がある人は、全体の約3分の1になります。そして、何もせずに放置すると動脈硬化の進行を早め、脳卒中、心臓病、大動脈瘤などの危険な病気のもとになることは常識で、ご存知だとは思いますが、指摘された中で
・医師の診察を受診した人 53%
・食事に注意した人 40%
・自宅で血圧測定した人 36人%
・医師の診断を受けていない人 46%
にのぼります。非常に気になる結果です。
 
・血圧は寝ていても急激に上昇することがある
・朝は血圧が上がりやすい
・日中は血圧が高めであるこのように血圧は変動しやすいです。
 高血圧は自覚症状がほとんどありません。本人の知らない間に死の危険性の高い病気を招きよせる、高血圧の恐ろしさを知っておきましょう。

No.0013 夏の疲れをスパイスで改善!(2018.09)

夏の疲れを
  スパイスで改善!
 
 秋口になると「何となく食欲がない。体がだるい感じがする」そんな夏の疲れが出てきます。暑さで食欲が減退、冷たいものばかり飲む、睡眠不足、だらだらして過ごすなどした結果、健康づくりの三要素である栄養・運動・休養が適切に保てなくなってしまったのでしょう。そんな疲れには早めの対処が何より大切です。
 インドには古くから伝わる伝統医学があり、マッサージやヨガを取り入れながら食生活の改善を図るそうです。そこで、疲労回復のスパイス活用法をいくつか紹介します。
 
■クミンで弱った胃を整える
 クミンはカレー粉やカレールウにも使われる消化促進、整腸作用があるスパイスで、唐揚げやハンバーグの下味に少量加えることで、エスニック風の味わいになり、消化吸収も助けてくれます。
 
■ターメリックで疲れをいやす
 「秋ウコン」とも呼ばれ、消化を助けて腸内細菌を整え、肝機能を高めるなど働きは多様です。玉ねぎや大根をスライスしてターメリック、塩、酢で和えるだけで疲労回復・かんたん即席漬けの出来上がり!
 
■セージで心身をリフレッシュ
 ハーブの一種セージ。香りが非常に強くクセもありますが、神経を回復させる作用があります。ドライセージひとつまみを1カップの熱湯に入れて3~4分蒸らせばセージティーに。
 
 体質には個人差があるので、自分の体にとって最善の方法を見つけてください。夏の疲れを解消する方法の一つとしてスパイスを活用しませんか!

No.0012 防災グッズには治療薬とお薬手帳も(2018.08)

防災グッズには治療薬とお薬手帳も忘れずに!
 
 大阪での地震や西日本を襲った豪雨災害。被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。「天災は忘れたころにやってくる」と言いますが、最近では忘れる前にやってくるようになりました。
 いざという時に備えて、自宅に防災グッズや非常用持ち出し袋と呼ばれるようなものを準備されていますか?何を用意したらいいのか、何日分用意するのか、家族構成にもよりますが悩むところだと思います。医療にたずさわる者として、私個人の考え方ではありますが、薬関係などは最低でも1週間分は用意していただきたいです。食べ物は他の方に分けてもらう事が出来るかもしれません。しかし、薬に関しては個人の体質や体調に合ったものが処方されています。同じ効能でも薬が変われば効き方も違ってきます。また、医療機関自体が罹災するかもしれません。仮復旧するにも多少時間がかかるかもしれません。土日、休日になると配達されず、補充が出来ないかもしれません。やはり、1週間分は欲しいですね。それと、お薬手帳や処方箋のコピーがあれば安心です。
 また、木綿のタオルやガーゼのハンカチ、大きめのバンダナや風呂敷も包帯や三角布の代わりになります。かさばらないので入れておきましょう。紙オムツや生理用ナプキン等も、本来の目的以外に出血した部位に当てるとガーゼの代わりにもなり、清潔が保たれるので入れておくといいでしょう。
 余談ではありますが、田舎は山水や薪があるので大きめの鍋、水(飲めなくても可)、精白米、飲料水、ポリ袋があれば温かいご飯が食べられます。ポリ袋に米と水を入れ、空気を抜いて閉める。熱湯に入れて 40分加熱する事で一人分の温かいご飯が食べられます。同じように肉じゃがやカレー、シチューも作る事が出来ます。夏休みの自由研究や防災の日に、お子さんたちと一緒に一度試してみてください。

No.0011 夏場はご用心!やっぱり食中毒 (2018.07)

夏場はご用心!
   やっぱり食中毒
 
 ノロウイルスが有名になりすぎて従来の細菌性食中毒が忘れがちになっていますが、やはり夏場の食中毒は要注意です。細菌性の食中毒はウイルス性とは違い、気候によって左右されます。気温の上昇と適度な湿気は、細菌にとって好条件の環境です。
【食中毒の原則は”つけない” ”増やさない”です。食物の汚染を確認することは私たちには困難です】
 
 つけない 
 調理の前はまず手洗いをする。食事の前にも同じです。行楽地など手洗いができない場合は、ウエットティッシュなどがお勧めです。調理の際は、生野菜と生肉の区別をしっかりとすることです。
■まな板の使用する面を区別
 汚染の可能性がある食べ物については、しっかり加熱することにより殺菌することが可能となります。
■生肉・魚介類・卵
 
 増やさない 
 調理後できるだけ速やかに飲食することと、保冷に心がけることだと思います。
 
 行楽地でのお弁当は至福の時を与えます。それが一転して不幸のどん底にはまらないよう工夫をすることを忘れないようにしましょう。

No.010 水虫(足白癬) (2018.06)

水虫(足白癬/あしはくせん)
 
 ジメジメした梅雨時、皮膚にはさまざまな病原体(カビ、細菌など)がつきやすくなります。先月は「とびひ(伝染性膿痂疹/でんせんせいのうかしん)」についてお話しましたので、今回は足白癬/あしはくせん、いわゆる「水虫」についてお話したいと思います。
 水虫は、白癬菌というカビ(真菌)が皮膚表面に寄生することで発生する疾患です。かゆみを伴う水ぶくれができ、皮がむけます。特に蒸れやすい足の小指の股や、足の裏で起こりやすく、小指の股では白くふやけてただれることもあります。正しい治療をしないと、水虫のところがかぶれて感染し、足が腫れ、痛みで歩けなくなることがあります。長時間靴や靴下をはいていると白癬菌が増殖しやすいので、予防のためにも外出先から帰ってきたときには足を洗いましょう。また、家族に水虫の人がいる場合は、スリッパやサンダルを共有しない、脱衣所などでは別の足ふきマットを使うなどして家族内感染を防ぎましょう。
 足の皮膚病には、症状が水虫と似ている汗疱/かんぽう(異汗性湿疹/いかんせいしっしん)などもあります。自己判断せずにかかりつけ医に相談し、水虫かどうか診断を受けて、適切な薬を処方してもらいましょう。

No.009 とびひ(伝染性膿痂疹) (2018.05)

とびひ(伝染性膿痂疹)
 
 初夏になるにつれて温度が高くなると、皮膚の疾患も増加してきます。
「とびひ」の正式な病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と言い、人に移る病気です。かゆみを生じ、手を介して水ぶくれやかさぶたがあっという間に全身に広がる様子が、まるで火事の火の粉が飛び火することに似ているため「とびひ」と呼ばれています。虫さされやあせも、擦り傷などの小さなケガによってできた傷に細菌が入り、感染することで発症します。
 「とびひ」にかかりやすい年齢としては、7歳未満の幼児が多数を占めています。できやすいところとして目、鼻、口のまわりから症状が出始めることが多く、かゆみがあり、そこを掻いた手で身体のほかの部分を触ると症状が身体のあちこちに広がってしまいます。特にこれから夏場にかけて増加傾向にあります。梅雨時期に多い水ぼうそうから「とびひ」になる場合があります。まれに痕が残ると、本人も保護者の方も気になる要因になるので、注意してあげましょう。
 治療としては、主に原因となる細菌を減少させる治療を行います。薬の種類としては抗菌薬(飲み薬、塗り薬)があります。かゆみが強い場合は必要に応じてかゆみを抑える治療も行います。症状が重くなる前に治療を始めることで治りも早くなります。気になる症状があれば、早めに受診しましょう。

No.008 花粉の飛散が増える春… (2018.04)

花粉の飛散が増える春思い当たることはありませんか?

・春になったけど、寒暖差の大きな日は体調がよくないな…
・新しい環境や人間関係でストレスがたまると、症状の悪化が心配だなぁ…
・花粉が飛ぶ時期は、調子がよくない気がする… ・まだ朝方冷え込むので、咳で目が覚めてしまうな…
・黄砂も関係があるのかな…
 
黄砂やPM2.5の飛散が怖い4月。お出かけ前は予報のチェックをしましょう。
春になり、花粉症や喘息など出ていませんか?花粉の飛散が多い季節は、喘息症状も悪化することがあります。4月になると、スギに代わってヒノキの花粉が増えてきます。また、2月下旬~5月上旬には中国から偏西風に乗って黄砂が日本に飛来します。黄砂の粒子にはPM2.5等の大気汚染物質や細菌、真菌等の微生物が吸着していたり、PM2.5は気道や肺胞にまで入り込む大きさで、喘息を悪化させる可能性があります。濃度の高い日は外出を避け、やむを得ない場合はマスクをして外出。帰宅後は手洗いやうがいを徹底するなどを心がけましょう。
 
心身に疲れが出やすい5月。ストレスをため込まないようセルフケアを!
4月から周りの環境が変わり、新しい職場や複雑な人間関係によって心身の疲れが出てくる人も多い時期ですね。ストレスは喘息に影響を与える可能性があるという報告があります。休養をとり、ひとりで悩まず誰かに相談したり、お風呂にゆったりつかったり、音楽を聴いたりと、自身で上手に発散できると良いですね。軽いランニングやサイクリングなど適度な有酸素運動も、ストレス解消には良いかもしれません。

日々の忙しさや気分の落ち込む日もあるかと思いますが、快適な毎日を過ごすため、心がけていきましょう。

No.007 子どもにもある生活習慣病 (2018.03)

子どもにもある生活習慣病
 
子どもでも生活習慣病になる?
糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、中年期以後に発症することが多く、40歳以上では健康診断の重要項目です。ところが近年では、子どもの時期にすでに生活習慣病を発症したり、小児期の肥り過ぎやメタボリックシンドローム(以下、メタボ)が、成人後の生活習慣病発症の引き金になるケースが増えており注目されています。
 
放っておけない子どもの肥満
子どもの肥満が進むと内臓にも脂肪がたまり、いわゆるメタボの状態になります。このメタボを何年も放っておくと、早い人では思春期頃に、多くの場合は成人した頃に、さまざまな生活習慣病を発症します。小児期に肥満がはじまると、中年太りに比べて肥満になっている時期が長くなるので、若い年代で発症しやすくなります。
成人後の生活習慣病の発症を予防するためには、子どもの時期の肥満やメタボは治して、成人に持ち越さないようにしましょう。
 
生活習慣病を予防するには?
生活習慣病につながる肥満を予防することがもっとも重要です。肥満の予防には、健康的な食事の習慣と適度な運動が不可欠です。
家庭で子どもの食事や運動環境について話し合い、見直してみましょう。そして親子で一緒に健康的な生活をスタートさせましょう。
 

No.006 ヒートショックに注意! (2018.02)

ヒートショックに注意!
 
 今、ニュース等でも話題になっている『ヒートショック』という言葉をご存知でしょうか?ヒートショックとは、急激な温度差によって体に及ぼす影響のことです。ヒートショックにより失神、ひどい場合には心筋梗塞や脳梗塞などになります。現在、家庭内で死亡する高齢者の4分の1は、ヒートショックが原因というデータが上がっているほど誰にでも起こるヒートショックについて知り、予防や対策を行いましょう。
 暖房の効いた暖かい部屋から、冷たく冷え切った浴室での熱いシャワーが心臓に大きな負担をかけ、温度変化が急激すぎると血圧が一気に上下して心臓や全身の血管に異変が起きます。ヒートショックによる心筋梗塞や脳梗塞、脳卒中、不整脈のリスクは高く、軽く失神だけの場合でも浴室のため、滑って頭を打つなど大変な危険を伴います。熱いお湯が好きな方も多いとは思いますが、脱衣所と浴室の温度差が10℃以上にならないよう、本人だけでなく周りの家族も気に掛けることが大切でしょう。
お風呂でのヒートショック防止策
・脱衣所を暖房で暖める
・湯船のふたを開けておく
・シャワーでお湯をはる
・湯温を41℃以下にする
・夕食前に入浴する
・高齢者に一番風呂をすすめない
 
 高齢者が多いヒートショックですが、誰にでも起こり得る症状でもあります。家族全員がヒートショックに注意して、自分のことだけでなくみんなが無事お風呂に入れているか気にかけることも、有効な対策となるでしょう。みんなでヒートショックを防ぎましょう!!
 昨年からつたない文章にお付き合いいただき、ありがとうございます。私も勉強してまいりますので、本年もお付き合いください。よろしくお願いします。

No.005 正月太り・GW太りは事実? (2017.12)

正月太り・GW太りは事実?
 
 早くも12月に入り、もうすぐクリスマスや忘年会、お正月、新年会と楽しい行事が続きますが、気になるのは財布の中だけではなく、やはり体重も気になるところです。
 様々な調査の結果、1年間の体重の推移にはお正月明けやゴールデンウィークなどの長期休暇明けに体重が増加する傾向がはっきり表れており、特に男性で顕著にみられます。しばらくたつとすぐにダイエットに励むのか、その後体重は徐々に減少し、夏から秋にかけて比較的安定するというパターンは男女共通するようです。
 一番身近なダイエットは歩くこと!みなさんは1日にどのくらい歩いていますか?データによると、1日の平均歩数は男性7315歩、女性6259歩。70歳の男性6654歩、女性5018歩と、いずれも男性の方が女性より1000~1600歩多く歩いているようです。しかも、早歩きの歩数も男性の方が平均700歩ほど多く、速いスピードで歩いていることがわかっています。年代別でみてみると、男女とも50代の平均歩数が最も多いようです。仕事の責任が多いのか、減量のために一生懸命歩く人が多いからなのでしょうか。BMIを基準とした肥満の状況を見ると、40~50代の男性の半数弱、同じく女性の4人に1人が肥満だと言われています。
 もうすぐお正月が来ます。日頃の疲れを取るためにも寝正月に憧れますが、できれば普段通りの生活を心掛けたいですね。
 それでは、良いお正月をお迎えください。

No.004 コミュニケーションを取れていますか? (2017.11)

コミュニケーションを取れていますか?
(心の栄養素言葉の力)
 
 今は子どもから大人まで多くの人たちが携帯電話やスマートフォンを持つようになり、LINEなどのSNSやメールの発展によって、家族や友人などとのコミュニケーションの方法もずいぶんと変わりました。朝夕の通勤や通学時、仕事の合い間、休憩時間などに、7割の人がLINEやメールなどで家族、友人、仕事仲間などと日常的にコミュニケーションを取っています。
 日本のある企業が「全国のがんばるお父さん」を調査したところ、朝家を出てから仕事を始めるまでの時間に連絡を取り合うのは「妻」が86%と圧倒的多数で、子どもや仕事仲間はそれぞれ3割ほどでした。発信する言葉を見ると、子どもに対しては「いってらっしゃい」「がんばれ」「今、何してる?」などの見守りや励ましなど、様子を伺う言葉が見られます。妻に対しては、「行ってきます」などのひと言や、「今日は遅くなりそう」「今から帰る」「何か買って帰るものはある?」などの業務連絡的なものの他に、「ありがとう」「大好きだよ鎧」なども案外あるようです。一方、お父さんが家族から言われて元気が出たひと言を尋ねたところ「がんばってね」「いってらっしゃい」などの何気ない言葉があがっており、シンプルな言葉がお父さん達の心に響き、励ましているようです。
 感謝や愛情をLINEなどで伝えられる人は、普段から声に出して言っているとは思いますが、照れくさくて面と向かって言えない人も、文字でならハードルが下がるかもしれませんね。
 現在では、仕事場の他あらゆる場面でコミュニケーション力が問われていますが、家族関係や仲間関係を良好に保つ上でも、欠かせない要素のようです。「大好き鎧」からスタートするには勇気がいるので、まずは試しに「ありがとう」から始めてみませんか。

No.003 健康寿命を延ばすために (2017.10)

 秋になれば、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋と、いわれるようになります。私としては年中、食欲の秋でありますが…。
 今回は、スポーツの秋ということで、簡単な運動を紹介します。4種類の運動だけで、短い時間でも効果が出るといわれていますので、自分の体力に合わせてトライしてみてください。

①スクワット
②腕立て伏せ
③腹筋運動
④ 背筋運動
 
 1回あたりの実施回数は、体力にもよりますが『ややしんどい』と感じるまで繰り返すことで効果が期待できます。
 無理せず、あきらめず、一緒にトライしていきましょう。

No.002 紫外線の良いところ悪いところ (2017.09)

 白露も過ぎ、秋分の日もすぐそこまで来て暦の上では秋となりましたが、まだまだ日中は暑い日が続いています。これから運動会やお祭りなど、屋外で行われる行事や作業などもあるかと思いますが、強い日差しは日焼けの心配だけでなく、目にも影響を与えます。
 強い紫外線を浴びると、目の表面にある角膜が一時的な炎症を起こします。海に遊びに行ったり、スキーや屋外でのスポーツをした後、目が充血したり痛みを伴ったりすることがありませんか?急性の炎症は短時間で回復しますが、強い紫外線は目に慢性の障害を引き起こすことがあります。南の地域、世界的にはオーストラリア、日本の場合は沖縄や鹿児島、宮崎地方で暮らしている人の方が、北海道や青森、秋田などで暮らしている人よりも紫外線を浴びる量が多いので紫外線による悪影響を受けやすく、白内障になりやすいことが分かっています。WHO(世界保健機関)によると、白内障の約20%は紫外線が原因だとされています。紫外線対策として帽子や日傘、サングラスが用いられますが、目に直接紫外線が当たらないように地面からの反射光にも注意し、紫外線を通さないUVカットにされる方がいいでしょう。
 
 紫外線の悪口をたくさん書きましたが、紫外線にも大事な役割があります。
ストレス解消(気分転換)
・スポーツをしたり外遊びで汗を流す
・干したふかふかの布団で寝る
ビタミンD生成
・骨を強くする(カルシウムの吸収を促す)
殺菌効果
・細菌や雑菌、ダニ、カビ類などを死滅させる
・まな板や包丁などの調理器具を消毒
 
 太陽は私たち人間が生活していくうえで欠かすことのできない存在で、紫外線にはよい影響も悪い影響もあります。人間が生きていくためには紫外線と上手く付き合っていくしかないようですね。

No.001 リハビリ用マッサージ器を購入 (2017.08)

エアマッサージ器を購入
 今年度もJA共済連兵庫の助成を得て、リハビリ器具のエアマッサージ器を導入しました。
 
 足先から太ももまで脚全体を優しく包みながら、加圧・除圧を繰り返します。このマッサージによって筋肉の収縮・弛緩と同様の作用で、リンパ液や静脈血の還流を促します。
 
 足は心臓から遠く、下の方にあるため、血液の渋滞が起こりやすい部位です。歩く運動は「ふくらはぎ」の筋肉運動で、下半身にたまった静脈血液を心臓に押し上げる作用を促進し、足の血行を高めます。そしてからだ全体の血行を活発にします。エアマッサージ器は空気圧により静脈を圧縮。歩行運動に代わって血液の循環を促進します。(腕用:足用と同じく手先から肩にかけて加圧し、血行を高めていきます。)
 
【このような症状の方に有効です】
・足がむくんでだるさを感じる方
・手足に循環障害があり、むくんでいる方
・乳がん手術後の方
・その他希望される方
 
【症状によりご使用できない方】
・医師からマッサージを禁じられている方
・おでき、やけど、虫さされなどの急性炎症や、化膿性疾患のある方
*使用される方は、必ず医師の診察を受けてください。
 
リハビリ用「ベッド型マッサージ器」導入
 去年もお知らせしましたが、リハビリ用「ベッド型マッサージ器」(ウォーターマッサージベッド)も導入しています。全身を水圧によって「さする」「こねる」「もむ」「おす」「たたく」「なでる」「のばす」の7種類のマッサージを行ってくれる、新感覚のマッサージ器です。興味を持たれた方は、一度お試しください。

「みどりの健康百科」を始めました

『あぜみち』2017年8月号より、「みどりの健康百科」を始めました。
 楽しい記事は書けませんが、皆様の目に止まるような記事が書ければいいなと思っております。勉強し、努力していきますのでお付き合いください。よろしくお願いします。
 
みどり診療所 看護師
 荒 尾 美 紀
ハリマ農業協同組合
〒671-4193
兵庫県宍粟市一宮町東市場429番地1
TEL:0790-72-1234
FAX:0790-72-1590

営農指導事業、生活指導事業、販売事業、購買事業、給油所事業、信用事業、共済事業、診療所事業、葬祭事業、損害保険代理店業


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